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ACAL初ダルマ・デイ開催=高崎から今井裕久さん筆入れ実演=日本以外で世界唯一のイベント

2025年7月10日

鏡割りの瞬間
鏡割りの瞬間

 リベルダーデ文化福祉協会(ACAL、藤田ダニロ会長)は6月27日(金)の午前11時から、サンパウロ市リベルダーデ広場で新しいイベント「ダルマ・デイ(ダルマの日)」を行った。これは、ダルマの「七転び八起き」を社是とする丸海グループが協賛し、日本最大のダルマ生産地・群馬県高崎市から100年近い伝統を誇る今井だるま店(1930年創業)の3代目・今井裕久さんを招聘して、舞台で迫力のあるだるま筆入れの実演をしてもらった。

目入れされたACALダルマ
目入れされたACALダルマ

 今井裕久さんに「日本以外に、世界でダルマの日を祝う場所はありますか?」と尋ねると、「世界広しといえど、聞いたことありません。ブラジルだけです!」と即答した。今井さんの筆入れパフォーマンス自体、昨年4月から始めたものと言う。「昨年、パリ、ベルリン、ニューヨークなど行った際、丸海さんに目をつけて頂いたようで今回呼んでいただくことになりました」と振り返る。
 「このようなイベントでダルマへの注目が集まり、日本食や七夕などがブラジルで愛され、現地化していったのと同様、〝ブラジルのダルマ〟になって愛されてくれればと願います」とコメントした。
 サンパウロ市役所により現在、リベルダーデ広場を中心とした中心とした商業地区の歩道改修工事が進められており、このイベントおよび今週の七夕に合わせて広場部分の改修工事を先に終わらせた経緯がある。サンパウロ市を代表して出席したインフラ工事責任者のアンドレ・ゴンサルベス・ドス・ラモス氏に聞いたところ、「ガルボン・ブエノ街、トマス・ゴンザガ街、アメリカ・ド・カンポ街、アフリットス街、エステダンテ街に歩道を広げ、雨庭を設置する。予定通りに行けば、この改修工事は11月に終了する予定。この地区の歩道が整備され、利用しやすく綺麗になる」と説明した。
 「雨庭」とは、歩道の一部に雨水を吸収するために設置した土の庭のこと。雨水の排水問題を軽減し、都市の環境改善に貢献する。
 開会挨拶でブラジル日本都道府県人会連合会の谷口ジョゼ会長は、達磨大師は南インドの王子で6世紀のはじめ中国に渡り、嵩山少林寺で面壁9年の坐禅をして悟り、中国の禅宗の始祖となったと言う歴史を振り返り、「ダルマに片目を入れた人は、常にその目標を意識するようになり、実現させる可能性が高まると言われます。皆さんも自宅に一つダルマをどうぞ」と薦めた。

和太鼓生の演奏
和太鼓生の演奏

 藤田会長は挨拶で「今朝、窓を開けたら雨が降っていて、この野外イベントを思い頭を抱えた。でもダルマは『忍耐』の象徴だと思いだし早速前向きに考え直したら、まさに直前に晴れ間が出てきた。この『ダルマ・デイ』をACALの新しい定例行事にしていけたらと期待している」と語った。
 当日は今井さんのダルマ筆入れの実演に加え、和太鼓「生」による日伯融合を象徴する和風「アクアレラ・ド・ブラジル」とサンバ風「さくら・さくら」、日本の有名パーカッション奏者の中部一貴さんの演奏など多くのアトラクションが午後3時ごろまでが行われ、観客を喜ばせていた。


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