サンパウロ市=軍警が黒人男性を誤認殺害=警察暴力で保安局長追及も

サンパウロ市で軍警が犯罪者と誤認して黒人男性を殺害したことが問題となり、ギリェルメ・デリッテ・サンパウロ州保安局長の責任が問われている。7日付フォーリャ紙(1)が報じている。
事件は4日夜、サンパウロ市南部のパレリェイロスで起こった。非番の軍警ファビオ・アンデルソン・ペレイラ・デ・アルメイダ氏が黒人の木工職人ギリェルメ・ジアス・サントス・フェレイラさん(26歳)を強盗と誤認。頭に銃弾を放って死亡させた。ギリェルメさんは事件の10分前に仕事を終え、帰宅するためのバスに乗ろうとしてバス停に向かって走っていて撃たれた。(2) (3)
この時、軍警は午後10時35分頃にバイク集団による強盗未遂事件に対応していた。強盗容疑者の1人はバイクを残したまま去ったが、目撃者によると、ギリェルメさんは地面に倒れていたバイクに近づいていたように見えたという。軍警はギリェルメさんを強盗と確信し、銃を放ったという。
アルメイダ氏は既に停職処分を受けている。同氏は昨年11月に医学生マルコ・アウレーリオ・カルデナス・アコスタさん(22歳)を誤認殺害した軍警2人と同じヴィラ・マリアーナの第12大隊所属だ。同氏は逮捕されたが、保釈金6500レアルを払って保釈された。
この事件を受け、サンパウロ州議会の野党議員らから、デリッテ聖州保安局長の解任を求める声が再び出始めている。デリッテ保安局長は休職中の下議で、来年の上議選に進歩党(PP)から出馬するため、年内に辞職予定とされている。
デリッテ氏が保安局長に就任してからは、サントス海岸部での捜査で多くの死傷者を出し、警察が絡んだ10代の死者の数が22〜24年に120%増えるなど、同保安局長の指揮下での警察官による暴力増加が問題視されていた。