ブラジル マンダカルー物語=黒木千阿子=(17)
散歩とはいえ、結構忙しい散歩です。
どうしてかと言うと、日出ずる国から毎朝やってくるお日様に挨拶くらいはしたいですし、そのお日様が眠りこけている山々に眩しい光を浴びせて、一つ一つ起こしていく様子も見たいからです。
山は、緑とは限りません。桃色に染まる山もあれば、紫に煙る山もあるのです。
その山の色の移り変わりを見逃さないためにも、私は皆がまだ寝静まっている頃に起きだして、トコトコと誰もいない坂道を上がっていくのです。
丘では、山羊たちが朝焼けの空を背景にして群れをなして横になっています。近付いても、立ち上がろうともしません。
そこには、鯉幟りを揚げるために立てた二...
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