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東洋医学活動28年の集大成=ポ語『岸本治療院報告書』刊行

2025年7月29日

『岸本治療院報告書』
『岸本治療院報告書』

 サンパウロで東洋医学鍼灸師として活動する岸本晟さん(兵庫県出身・85歳)が、自身の治療方法とその成果をポルトガル語でまとめた著書『Medicina Oriental: Teoria e Prática』(送料別、230レアル)をこのほど刊行した。

 同書は、岸本鍼灸整体治療院を開設して28年になる岸本さんが、2019年に発表した『岸本治療院報告書』のポルトガル語翻訳版。全ページカラーで233ページにわたって、岸本さんの治療理論や実践方法、そして実際の患者の治療前・治療後の様子が写真とともに紹介されている。

 岸本さんは1961年、日本学生海外移住連盟の第二次南米学生実習調査団の一員として初めてブラジルを訪問。1964年に兵庫農科大学(現・神戸大学農学部)を卒業後、翌65年にタキイ長岡園芸専修学校を修了し、移民として再び渡伯した。その後、31年間にわたりブラジルで農業技師として活動した。

 転機となったのは、妻が交通事故に遭った際の後遺症だった。これをきっかけに1991年からブラジル東洋医学振興協会(ANDEMO、ホンダ・ヤスノリ理事長)の故・鈴木朝治氏のもとで東洋医学を学んだ後、リオデジャネイロ州公認聡伯院で鍼師免許を取得、サンパウロの小渡良博氏の鍼灸道場で日本式鍼灸を学び、整体鍼灸師へと転身した。

 岸本さんは「この本の製作に3年半かかりましたが、ようやく完成し、大変うれしい気持ちと同時に、肩の荷が下りました。この本を通じて、後世の人々やポルトガル語世代、非日系ブラジル人にも東洋医学を知ってもらい、少しでもブラジルに広がればうれしいです」と感想を語った。

 本書は、通販サイト「Livraria da Vila」で購入可能。


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