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『楽書俱楽部』第79号刊行=読み応えある内容豊かなコラム集

2025年8月27日

『楽書俱楽部』第79号刊行=読み応えある内容豊かなコラム集
『楽書俱楽部』第79号

 日毎叢書企画出版(前園博子代表)の『楽書俱楽部』第79号が8月15日に刊行された。今回も36人の投稿者によるバラエティ豊かな内容が148頁も満載だ。

 後書きによれば《先月に続いてこの7月にも相次いで温かいご協力金が届きました。ただただ感謝の言葉しかありません》とのこと。次号は節目の第80号となり、今年最終号。原稿締め切りは9月10日なので、早めの投稿を呼びかけている。なお、楽書倶楽部忘年会は11月27日(木)午前10時から宮崎県人会館(Av. Liberdade, 486 Sala21/22)で開催とのこと。申し込みは前園さんまでメールか電話で。

 秋吉功さんの「日本語学校校長17年間の奮闘記」(57頁)は、他の日本語学校も参考になる話が溢れている。就任した当初は生徒数が20人以下で万年赤字だったモジのモデル校を、120人まで増やし、「私の任期中の17年間一度も赤字にならず」と達成した手腕は大したもの。今後は「麻雀教室の校長として新人を育てたい」とのこと。

 松本正雄さんは「絆」(73頁)の最後に、沖縄県人会元会長・与那嶺真次さんの持論、ウチナーンチュ(沖縄県人)は大切にしてきた次の七つの教えを解説。(1)イチャリバチョウデー(島人は会えば皆兄弟)、(2)チュイダシキダシキ(困った時は皆で助け合おう)、(3)チャーメシカイ(過去に拘らず勇気を出して前進)、(4)チャーマジュン(家族や友人等と仕事を教えたり教えられたりして憶えていこう)、(5)チャーンネンサ(少々失敗しても心配するな、何とかなると一緒に対策を考える)、(6)ナンクルナイサ(落胆するな、仕事さえ続けておれば自然と道は開けてくる)、(7)アリガネンセ、ワンニンナイルスル(彼が出来たんだ、私にも出来ない事はない)とのこと。

 末定いく子さんの「恐怖体験」(116頁)には《私はブラジルに住んで半世紀以上になるも、移住して来たことを悔いたこともなければ、祖国に帰国したいと思った事もない。むしろ、しがらみが無く自分らしく生きられるブラジルに来て良かったと思う。が、祖国に居たらあり得ないだろう喜び、苦しみ、恐怖を、手足の指20本では数えきれない程に体験して来たが、そうした経験がブラジルで生きる肥やしとなっているのは確かだ。そんな喜怒哀楽の中から、我が身に起きた恐怖体験を厳選して三つ》と前書きし、驚愕の実体験が書かれている。まさに「九死一生」という言葉が相応しい壮絶な物語。

 関心のある人は同企画出版(電話11・99471・3577、nitimaisousyo@gmail.com)まで連絡を。


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