ぶらじる俳壇=153=伊那宏撰
サンパウロ 串間いつえ
すぐ其処と言ふ道案内山笑ふ
句碑守は桜大樹やカルモ園
花屑をとどめて久し庭の隅
〔〈花屑〉とは散り落ちた桜の花びらのこと。それが風に吹かれて〈庭の隅〉に溜まっているさまを詠んだ一句。公園ではなく住居内に植えられた桜のことであろう。溜まった花びらが久しい間その場にとどまっているというのである。それを見た作者の感動。薄っぺらい花びらが久しくその色を失わずにいることは、とりもなおさずそこが一日中日陰であることが必須条件。作者の確かな眼は、色をとどめ形を失わぬまま、何日も寄り添うようにしている花屑をしっかりと捉えていることだ。言わずして表現された花屑の鮮や...
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