開拓当時の苦闘物語(1)=サンパウロ 吉田しのぶ
1961年1月11日『あるぜんちな丸』で私達新婚夫婦はサントス港に降り立った。
主人は30歳、私は25歳であった。瀬戸の花嫁として島に嫁いで夫の実家には15日間しかいなかった。あの時代日本は移民政策を遂行していて、二人ともブラジル行を希望していたので、夫は島の町役場の移民課に、私は生まれた町の町役場の移民課にそれぞれ願書を提出していた。いうなれば町役場同士の紹介で私達は結ばれたのである。結婚式にはそれぞれの役場の町長がご臨席くださり、盛大な結婚式であった。
45日間の航海中、新婚夫婦でもあり極楽の絶頂にあったが、サントス港に降り立った途端地獄が待ち構えていた。大き...
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