サンタクルス日本病院=会社更生法適用とその後=新執行部に経営体制が変更

「サンタクルス日本病院」(Sociedade Brasileira e Japonesa de Beneficência Santa Cruz)は、去る7月23日の総会においてこれまでの二宮正人氏を理事長とする理事会、評議員会が退陣し、新たにペドロ・イヴォ・ガルシア・デ・ソウザ氏を代表とする新執行部が登記された。
同病院は本年4月に会社更生法適用の申請を行い、裁判所がそれを受理したことにより、債務に対する強制執行が一時的に停止され、債権者の承認を得るべく再建計画の策定が進められている。裁判所はACFBを再生管財人に選任し、同法人が現在、病院の運営を監督するとともに、債権者との窓口となっている。
病院が直面している経営危機のため、患者の安全と病院運営の維持を最優先とするため、やむを得ず診療規模の縮小を行った。その結果、全従業員のおよそ15%を解雇せざるを得ない事態となった。労働組合は不当解雇を主張して公益訴訟を提起したが、病院側が事実関係を証明したことで「大量解雇」としての認定は行われていない。
労働関連の訴訟は通常どおり進行しており、同病院は労働裁判所による誤った口座差押えや、債権銀行による同病院の口座からの不当な資金差押えといった困難に直面しつつ、裁判所を通じた会社更生法に基づく手続きの枠組みの下で事業継続を図っている。
こうした状況下にあっても、同病院はサンパウロ市との医療委託契約を維持している。7月には内部調整の一環として一般外来診療の一部を一時休止したが、地域の基幹病院としての役割を担っており、一部の患者や医療従事者の間で不安感が存在することに鑑み、外来診療の再開を計画中だという。
再生手続きの成功は、債権者との合意形成および経営の透明性にかかっている。サンタクルス日本病院は、ブラジルにおける日本人移民の歴史とも深く結びついた象徴的な存在であるため、その再建計画の行方は日系社会からも大きな注目を集めている。
7月23日に総会で新執行部になったペドロ・イヴォ・ガルシア・デ・ソウザ理事長、ロナン・ペレイラ・リマ執行理事2氏の名前で送られてきた通知を、下に全文掲載する。
