グルッポ・サンセイ=ロンドリーナ祭り3万人突破=会場踊らせた相川七瀬=経済効果600万レの大盛況
グルッポ・サンセイ(城間ミチ代表)が主催する「第21回ロンドリーナ祭り」がパラナ州北部の同市で5〜7日まで開催され、延べ約3万人を動員し、日系社会を基盤にした文化イベントとして地域に強い存在感を示した。広報によれば、過去最高の2万7千人という主催者の当初見込みを上回る盛況となり、経済効果は600万レアル(約18億円)に達したという。
会場のネイ・ブラガ公園内の約3万平米に173の出展者が集結。飲食や工芸、ゲーム、ビジネス展示に至るまで多彩な催しが展開され、1500人を超えるボランティアが支えた。文化・経済の両面で地域を巻き込む一大行事に育った。
6日午後の開会式ではテーマである日伯外交関係樹立130周年が強調され、挨拶に立った三井靖広在クリチバ総領事は「友情は長く続き、ブラジルは世界を養う国」と述べ、農畜産分野を中心とした日伯関係の重要性を強調した。
城間代表は、21年の歩みを振り返り「20年を超えて〝成人〟となり、相川七瀬さんを日本から迎えられて嬉しい。地域のたくさんの協力者のおかげで継続してこれた」と謝意を表した。チアゴ・アマラウ市長は「私の妻は日系2世、娘は日系3世だ。かくも日系人は地域に溶け込み、その貢献がロンドリーナ建設に不可欠であった」と述べ、最近の佳子内親王の来訪がいかに市にとって光栄であったかを熱弁した。
西森ルイス連邦下議もこの祭りがいかに日本文化普及に貢献しているかを強調した。他に田村ジャイロ州議、州人工知能改革局長のアレックス・カンジアニ氏も出席した。
文化プログラムは180件に及び、太鼓演奏、伝統舞踊の盆踊り、若者に人気の「祭りダンス」、工芸やゲームの体験コーナーなど多彩な演目が並んだ。盆踊りにはパラナ州やサンパウロ州から20団体が集まり、小雨降る中でも約500人が一斉に踊る姿は圧巻だった。
最も注目を集めたのは、今年デビュー30周年を迎えた日本の人気歌手・相川七瀬のステージだった。ギタリスト織田哲郎とともに来伯し、代表曲を披露。『夢見る少女じゃいられない』などの楽曲5曲は祭りダンスの定番曲であるため、観客は始まる前からウェーブを作ったり、「ナナチャン・ダイスキ!」などの声援を練習して待ち構え、観客は一体となって歌い踊り、祭典の熱気を最高潮に押し上げた。その後、相川から浴衣30着ほどがミチ代表にプレゼントされた。
ステージが終わった後、グルッポ・サンセイの祭りダンスが始まると、2曲目の新曲「ワッショイ」の時に再び相川が登場して、1千人以上の観客と一緒に歌って踊った。グルッポ・サンセイがワッショイの練習風景と相川への歓迎メッセージをまとめた動画を上映し、相川は喜びのあまり涙ぐんでいた。
グルッポ・サンセイのメンバー、ガブリエル・バチスタネさん(28歳)は、「相川七瀬と一緒に祭りダンスができて夢のよう。彼女の歌で踊れて感動的だった。僕はロンドリーナ祭りのおかげで、7歳頃から彼女の曲を知っている。彼女の曲は歌っても良し、踊っても良しで最高」と語った。
同じく同グループで太鼓を担当する古瀬ひろしさん(25歳、3世)は、「7年前にユーチューブでJPOPを聴いてたら、彼女の曲がお勧めに出てきて、何気なく聴いたら『すごい』と感じて以来、ファンになった。彼女の曲を太鼓で叩くためにグルッポに入った。いつも動画など彼女の歌を聴いていたが、初めてショーを生で見てすごいと思った。すごい感動しました」と興奮冷めやらない様子で語った。
今年のロンドリーナ祭りはNHKの取材も入り、国際的な発信力を高めた。主催者は早くも来年の開催を9月4日から7日の4日間と発表している。ロンドリーナ祭りは、日伯の絆を祝う舞台であると同時に、経済・観光の活性化を担う行事として、存在感が年々増している。