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海外日系人大会17日から=混迷深まる世界との関係性を問う

2025年9月13日

大会のポスター
大会のポスター

 第65回海外日系人大会が17日から19日まで、東京・新宿のJICA市ヶ谷ビルを主会場に開催される。公益財団法人海外日系人協会(田中克之理事長)が主催し、南北米やアジア、欧州、オセアニアなど約20カ国から200人以上の参加が見込まれる。

 1957年の創設以来、母国日本と世界各地の日系社会を結ぶ架け橋として続いてきた歴史ある大会であり、今回の総合テーマには「混迷と不安が深まる世界とニッケイ社会〜新たなつながりを求めて」が掲げられた。

 開会式では、ブラジル日本文化福祉協会名誉会長の石川レナト氏が基調講演を行う。経営者としての実績と日系社会のリーダーとしての経験を踏まえ、世界情勢の不安定化や移民への偏見に日系社会はいかに向き合うべきかを論じる予定だ。

 続いて、第2次大戦期に米ハワイで起きた日系人迫害を取り上げたドキュメンタリー映画「Removed by Force」の上映や、日系四世歌手メリッサ・クニヨシ氏によるミニライブも予定されている。

 18日には国際シンポジウムが開かれ、「ニッケイ新世代の新たなつながり」「女性の力が動かすニッケイ社会」をテーマに討議する。近年、非日系の人々も重要な担い手となりつつある現状を踏まえ、カタカナ表記の「ニッケイ社会」として多様性を前面に出す試みだ。プログラム外では、さいたま市を巡るオフィシャルツアーも組まれる。

 最終日の19日には、海外からの参加者による「日系人の主張」や在日若手日系人の日本語スピーチが予定され、世代を超えた交流の場となる。大会宣言を採択したのち、衆参両院議長主催の昼食会で締めくくられる。期間中の主要プログラムはオンラインでも配信され、同時通訳が導入される。

 世界の不確実性が高まるなか、アイデンティティの確認と相互連携を進める「ニッケイ社会」の歩みが改めて注目される大会となりそうだ。


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