ぶらじる俳壇=155=広瀬芳山撰
イタケーラ 西森ゆりえ
時雨るるやひと汽車先に行くという
〔時雨という季語の少しゆったりとした気分が、ひと汽車先ということば遣いの時間感覚と不思議に合っています。情景がまざまざと目に浮かんできます。〕
春きざす二ヶ月ぶりに降りる駅
ふるさとの富士と名付けし山眠る
サンパウロ 山本郁香
ひなたぼこ時空を越えて舟をこぐ
〔この句は、ひなたぼこという平凡な日常を時空を越えてという、非凡な情景のことばにより、読む人をはっとさせます。舟をこぐということばも俳諧味があってよい。〕
短夜をテレビと語りし人恋し
着ぶくれて色香も薄れ八十路かな
サンパウロ 西谷律子
会話なき夫婦の会話日向ぼこ...
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