板垣克巳駐パ大使が来伯=3国の経済関係促進へ

駐パラグアイ日本国特命全権大使の板垣克巳氏がブラジル日本商工会議所での講演のため17日、来伯した。18日には編集部を訪れ、日本、ブラジル、パラグアイの今後の関係について語った。
板垣氏(64歳、秋田出身)は埼玉大学を卒業後、外務省に入り、スペインやコロンビア、ペルー、パナマ、グアテマラ、エクアドルの在外公館に勤務。国際協力局開発協力企画室長なども務め、2024年からパラグアイ大使となった。
板垣氏がブラジルを訪れるのは今回が3度目で「パラグアイから見るとブラジルは巨大な隣国。中でも経済力はとても大きなもので、来るたびにビジネスにおけるパラグアイの価値はどこにあるのか考えさせられます」と語る。
パラグアイと日本は今年、国交106周年を迎え、来年は移住90周年の節目の年となる。板垣氏は「日本とブラジル、パラグアイは日系移民が紡いだ絆を共に有するだけでなく、食糧安全保障などの国際政治面でも互いに重要な存在です。機を活かし、人的、文化的な交流はもとより、経済分野における関係促進も図っていきたい」と語る。
板垣氏は取材日当日に日系販売大手チェーンのダイソーを訪問。19日はブラジル日本商工会議所定例昼食会で講演を行い、三菱や双日、日通なども訪問し、帰国する予定だ。
パラグアイでは23年にサンティアゴ・ペニャ氏が大統領に就任し、同氏主導による様々な経済政策によって、税制やマキラ制度などビジネス環境が着々と改善されているという。板垣氏は「私が95年に初めてパラグアイに来たときは7階建てのビルが精々でしたが、今は20~30階建てのビルがどんどん出来るなど目覚ましい発展をしています」と話す。
今月8~10日にはアルト・パラナ県エステ市で「パラグアイ・ビジネス・ウィーク」が開催され、ぺニャ大統領、ヒメネス商工大臣らをはじめ、ブラジル、アルゼンチンの州知事が出席。見本市やパネル講演を通じてパラグアイへの投資の魅力がPRされ、板垣氏も各種セッションに出席した。
板垣氏は「道路事情が整っていないなど改善すべき点もまだまだありますが、経済や治安は安定し、人件費、税金も安い。日系の地場企業や進出企業も多数活躍しており、大使としてパラグアイのビジネス環境の魅力を多くの人に知ってもらえるよう励んでいきたい」と語った。