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平野総領事の娘、内藤さん来伯=「45年ぶり、旧公邸懐かしい」

2025年9月23日

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平野文夫在サンパウロ総領事の娘、内藤直美さん(63歳、東京都)と孫の内藤愛さん(35歳、同)が、旧総領事公邸訪問や知人との旧交を温めるために14日に来伯し、編集部を翌15日に訪問した。サンパウロ市イジエノポリス区にあった旧在サンパウロ総領事公邸(Rua PIAUI, 874 HIGIENOPOLIS)を最後に使っていた総領事だ。

平野氏は在リオ総領事(1974-76年)からそのまま在サンパウロ総領事(76-78年)に転勤し、最後に旧公邸に居住した総領事となった。次の総領事から現在のモルンビーに移転した。10年前に亡くなったという。

「45年ぶりにブラジルにきました」と直美さんは懐かしそうに語った。「私は当時まだ14〜16歳ぐらいで、内部は日本的装飾が施され、日本の家みたいに感じていました。リベルダーデには1世の方がたくさん居られて、よく日本映画を見にきていました。父は熊本出身だったので、同郷のよしみでサンパウロ新聞の水本社長と懇意にしていました。当時感動したのは、大晦日昼にリベルダーデ広場で行う餅つきを、日系テレビ番組のイマージェンス・ド・ジャポンが衛星生中継で繋いで日本で放送していたことです。当時としては画期的でした」

また「父は週末に、地方の日本人集団地を車で訪れて『日本語を話せる方はおられますか』と聞いて周り、『戦争が終わったことはご存知でしたか?』と話して回っていました」と懐かしそうに振り返った。

公邸が移転した後、日本からたまに「グーグルマップで旧公邸を見ると廃墟のようになっていたので、すごく残念に思っていました」とのこと。

ところが「娘が出張で2年前にブラジルに来た際、美術館として使われている旧公邸を尋ねたらすごく歓待されました。昨年も娘が再訪すると先方が喜んでくれ、私もワッツアップの動画でツアーをしてもらい、感激。『ぜひ来年伺います』と約束して、今回来たらもう閉まっていると聞き、残念に思っております」と残念そうな表情を浮かべた。

旧公邸の建物は2021年から、文化施設「インスチツト・アルチウム・デ・クルツーラ」(INSTITUTO ARTIUM DE CULTURA、以下IACと略)として生まれ変わって利用されていたが、今年前半に閉鎖された。

編集部での取材後、「移民史料館を訪れて、ずっと感動し続けています。自分はこうした移民の方々の生き様を見ながら育ったからこそ、日本人としての誇りを持てていることに気付きました。今の、自信を失っている日本人の大人や子ども達にこそ、見せたい内容だと思いました」とのコメントを寄せた。

さらに、最終的に旧公邸持ち主に連絡が取れて内部を見ることができ、当時の総領事館広報職員だった坂尾英矩さんにも会って「色々な領事館話を鮮明にご存知で、とても有意義な時間でした」とのこと。当時世話になっていた野村丈吾連邦議員の妻マリア・ド・カルモさんとも再会でき、「昔と変わらずに穏やかで品格に溢れていらして、とても心温まる時間を過ごしました」と語り、20日に帰国した。


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