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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(263)

2025年10月10日


ところで、円売りであるが、これは前章で記したが、戦時中から起きていたということになっている。

戦後も含めて、ここで検証しておく。

まず前章で先送りした大宅壮一の記事中の「百円札…云々」の部分である。

戦争末期、ユダヤ商人が上海、香港から百円札を大量にブラジルに持ち込み、日本移民に売って大儲けしたという説には、次の様な難点がある。

これは戦時中の話であり、当時、日本人の銀行預金は、法人も自然人も資産凍結令の対象になっていた。厳重に使途を監査され、最低必要額しか引き出すことができなかった。(九章参照)

そういう状況下、大量の百円紙幣を持ち込んでも捌ける見込みは立たない...

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