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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(275)

2025年10月28日


以下は、既述したことと重なる部分もあるが、川崎はしばしば警察の厄介になり、新聞に詐欺師として登場した。

ところが、警察の追及をスルリスルリとすり抜け、アチコチの邦人集団地に現れて、人を集め講演をして歩いた。

落ち着いた態度と見事な弁舌で聴衆を魅了し「川崎先生」と呼ばれていた━━というから驚く。

実際、その講演を聞いた人によると「話はウマカッタ!」そうである。

講演の内容は、日本戦勝説に基づく熱烈な愛国論、帰国論であった。無論、聴衆は戦勝派の人々だった。

ニセ宮騒動の表面化時、五十歳。

加藤と川崎が知り合ったのは、一九四八年ということになっている。

その翌年、コロニ...

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