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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(281)

2025年11月6日


半世紀以上も後年のことになるが、筆者はその息子の邦親に会って話を聴くことができた。(邦親は十三章で登場している)

邦親は一九三四年、モジアナ線のカフェー農場で生まれた。終戦の年は未だ子供だったが、前記のサントーポリス植民地に居た。

父親静雄は、日本は絶対に負けてはいない、と戦勝を信じていた。日本に帰りたがっていた。

その父親が川崎三造と知り合った。それまで働いて貯めた金を献上、シッチオ・キヨへ入った。

「人間、こうだと信じたら、駄目。宗教と同じ。オウムだって同じでしょう」

と、邦親は言う。

オウムとは、日本で起きたオウム真理教事件のことであった。邦親は続ける。

「...

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