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成人の6割超が過体重=肥満倍増で慢性疾患リスク拡大

2026年1月30日

万華鏡2
イメージ(Foto:Towfiqu barbhuiya/unsplash)

 ブラジルの国民健康を巡る指標に警戒すべき動きが示されている。保健省が28日に公表した2024年の最新調査によると、国民の6割超が過体重の状態にあり、肥満(BMI=体格指数30以上)に該当する成人は約4人に1人に達した。肥満の急増に加え、糖尿病や高血圧が広がる一方、生活習慣と関連する指標群には複合的な悪化傾向がみられる。統計担当者は、慢性疾患リスクの低減に向けた総合的な政策対応が必要だとしている。

 同日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)によると、この調査は、慢性疾患に関わる危険因子と保護因子を把握するため、保健省が実施する全国電話調査(Vigitel)に基づくもので、全州都および連邦直轄区の成人を対象に毎年集計されている。調査結果によれば、過体重の割合は18年前の2006年の42・6%から、2024年には62・6%へと20ポイント超上昇した。肥満率は同期間に11・8%から25・7%へとほぼ倍増し、成人の約4分の1が肥満状態にあることが示された。

 生活習慣病関連の指標にも悪化が見られる。糖尿病と診断された成人の割合は2006年の5・5%から、2024年には12・9%へと増加した。同様に、高血圧と診断された成人は22・6%から29・7%に上昇している。これらは人口の高齢化に伴う傾向だけでなく、生活環境の変化が影響している可能性を示唆する。

 身体活動をめぐる動きは対照的だ。都市部での移動に伴う身体活動は、配車アプリの普及や公共交通機関利用の増加を背景に、2009年の17%から2024年には11・3%に低下した。この指標は通勤・通学など日常の身体活動の減少を示す。一方、余暇における週150分以上の中等度運動の実践率は、30・3%から42・3%へと上昇している。こうした傾向は、日常生活における身体活動と意図的な運動との間に乖離(かいり)があることを示している。

 食習慣の面では、果物や野菜を週5日以上摂取する割合は2008年の33%から2024年には31・4%と大きな変化はみられなかった。一方、炭酸飲料や人工甘味飲料を週5日以上飲む層は2007年の30・9%から16・2%へと低下している。これらの変化は部分的な改善の兆候とみられるものの、慢性疾患の抑制には至っていないとの分析が示されている。

 調査に初めて加えられた睡眠に関する指標では、州都に住む成人の20・2%が「1日6時間未満の睡眠」と回答した。また、31・7%が寝つきの悪さや夜間の覚醒など不眠症状を少なくとも一つ抱えており、女性(36・2%)は男性(26・2%)を大きく上回った。保健省は、睡眠不足と睡眠の質の低下が肥満や慢性疾患、メンタルヘルスにも関連する可能性があるとして、一次医療の現場で睡眠状態の把握を強化する方針を示した。

 こうした現状を受け、保健省は28日、新たな国家戦略「ヴィヴァ・マイス・ブラジル」を発表した。(4)同戦略は健康増進、慢性疾患予防、国民の生活の質向上を目的とし、身体活動促進に向けて総額3億4千万レアルを投じる計画だ。このうち4千万レアルは2026年中に全国の健康増進・予防医療施設「アカデミア・ダ・サウーデ」の再整備に充てられる。

 「ヴィヴァ・マイス・ブラジル」は、統一医療保健システム(SUS)の既存政策を再編・強化することを柱とし、健康的な食生活の推進、身体活動の習慣化、包括的ケア提供、質の高い健康情報へのアクセス拡大を掲げる。

 また、民間部門との連携も進め、国民が健康的な生活習慣を取り入れやすい環境整備を目指す。戦略は、身体活動促進、健康的な食生活の普及、たばこ・アルコールの削減、学校での健康教育、慢性疾患抑制、ワクチン接種強化、デジタルヘルス推進など10項目の重点領域を設定している。


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