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韓国美容企業=ブラジルで直接投資へ転換=中国低迷で最大の外国拠点に=政府間合意と科学志向で攻勢強化

2026年4月21日

ブラジルの韓国化粧品輸入額の推移
グラフ

 4月20日付ヴァロール紙(1)によれば、韓国の美容・エステ関連企業がブラジル市場において、従来の製品輸出主導から直接投資や企業買収を伴う現地運営へと戦略を大きく転換している。かつて韓国企業にとっての成長エンジンであった中国市場での苦戦が続く中、世界第3位の美容市場規模を誇るブラジルは、今やグローバル戦略における最大の外国拠点へと浮上している。
 具体的には、美容医療機器大手のジェイシス・メディカルが、昨年9月にブラジルでの直接運営を開始した。同社は2030年までに現地売上高を4億5000万レアルに引き上げる目標を掲げている。同業のクラシスは、現地パートナーのメドシステムズを企業価値3億8800万レアルで買収した。さらに、世界的な化粧品メーカーであるアモーレパシフィックやLG H&Hも、ブラジル市場への本格参入に向けた調査を加速させている。
 専門家は「単なる輸出から、現地での直接運営や戦略的買収への転換」が、ブラジル市場での競争優位性を決定づけると分析する。直接投資による流通網の掌握は、関税コストの削減のみならず、市場ニーズへの即応を可能にする。こうした民間主導の動きを後押しするのが、政府間の法的枠組みの整備だ。
 2月24日付ムンド・ド・マーケティング紙(
2)および2月22日付コレイオ・ブラジリエンセ紙(3)によれば、ブラジルと韓国の両政府は、経済協力の障壁を取り払うための外交攻勢を強めている。ルーラ大統領の2月訪韓時に署名された保健分野の協力覚書は、規制の壁に風穴を開ける象徴的な合意だ。背景には、ブラジル産食肉の韓国向け輸出拡大を求めるルーラ政権と、ハイテク美容投資をブラジルで展開したい韓国側の思惑が一致した「バーター取引」的側面があると報じられている。
 この政治的合意により、実際に実務レベルでの認証プロセスの簡素化がどこまで進むかが注視点だ。規制緩和という「盾」の整備が進む一方で、消費者の心を掴む「矛」となったのは、韓国独自の科学的アプローチだ。
 3月20日付カルタ・カピタル紙(
4)によれば、K-beautyがブラジルで定着した要因は、一過性の流行を超えた科学と文化の高度な融合にある。現在のトレンドは、即効性よりも「肌の健康を長期的に維持する」という哲学へとシフトしている。マーケティング面では、ツボクサ(Cica)や、サケのDNAから抽出された細胞活性成分であるPDRNといった科学的根拠に基づいた成分が重視されている。
 KSコスメンティクスのジミー・リー氏は、「韓国ではかつて即時的な結果が求められたが、現在は持続的なケアが重視されている」と述べ、この意識変化がブラジル消費者にも深く浸透していると分析。ドラマやK-POPを通じた「K-wave」の波及が、韓国的な美への憧憬を購買欲求へと変換させる一方、伝統的な植物成分と最新のバイオテクノロジーを融合させた独自性は、欧米ブランドとの明確な差別化要因となっている。
 3月20日付カルタ・カピタル紙によれば、K-beautyの急成長に伴い、偽造品や不正輸入品の流通という負の側面が顕在化している。ブランド価値を防衛し、消費者の安全を守ることが、持続的成長の鍵となる。開発商工サービス省(MDIC)の統計によれば、2025年の対ブラジル化粧品輸出額は3460万ドルに達し、3年前と比較して約2.8倍に急増した。韓国は今やブラジルにとって第7位の化粧品輸入相手国だ。
 しかし、成分保証のない偽造品は、アレルギー等の健康被害を招く恐れがある。業界はポルトガル語のラベル表記やANVISA登録の確認を推奨している。市場の信頼性を確保するためには、企業の直接進出による徹底した流通コントロールが不可欠だ。地球の裏側にある巨大市場でK-beautyが真の市民権を得るためには、模倣品を排除するトレーサビリティの確立が最後の関門となりそうだ。


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