連載小説
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=26
ジョン・デ・バーロ(アカカマド鳥)が鳴いていた。見上げると庭先の木にパン焼き窯を小さくした形の巣があ...2023年7月8日
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小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=25
縄煙草をくゆらせながら八代は言った。 「海興会社の宣伝文句みたいですな。が、わしにはお先真っ暗ですわ...2023年7月7日
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小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=24
「今頃、何をしてたんだ」 出会いざま田倉は大声を出した。見つけたことを内心喜びながらも、渋面を見せる...2023年7月5日
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小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=23
「おかあちゃん」 家に駆け込んだが返事がない。部屋に母はいなかった。カンテラの灯りが、ぼうっと周辺を...2023年7月4日
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小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=22
「らしいな。モジアナ地方からきた男の話では、町の出口に塹壕など掘ったが、政府軍の飛行機に襲われ、耕地...2023年7月1日
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小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=21
「お父ちゃんの四十二歳の厄払いやから、白ご飯にしたんやって」 横から浩二が言った。 「そうか、あいつ...2023年6月29日
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小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=20
九時には朝食を告げるラッパが鳴る。若者たちはこの九時を待ちきれずにラッパの真似をして、朝食を促す。時...2023年6月28日
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小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=19
これは移住して初めて知ったことで、移民を奨励した海外協会の宣伝文句にはない。日本移民は、 過密人口の...2023年6月27日
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