《ブラジル》エレトロブラス民営化完了=大統領らが慶祝セレモニー=ラ米一の再生可能なエネルギー企業に

【既報関連】ボルソナロ大統領やゲデス経済相らが14日午後、サンパウロ市セントロのサンパウロ証券取引所(B3)で大量の新規株式の発行と売却により民営化された新生エレトロブラスの発足を祝う式典を開いたが、会場の前では同社の民営化に反対する人達による抗議行動も起きたと14、15日付現地紙、サイトが報じた。
大統領は式辞を述べていないが、エレトロブラスのロドリゴ・リンピ・ナシメント社長は、「エレトロブラスは新しい経営形態で新しい段階に入る。弊社が電力業界で担うべき役割を果たせるよう、整えられていると確信している」と述べた。
また、アドルフォ・サクシダ鉱山動力相は「今日はわが国にとって歴史的な日だ。(エレトロブラスは)国営公社の立場を離れ、ラ米一の再生可能なエネルギー企業として証券市場に参入した。投資能力も更新された」と語った。
ゲデス経済相も、「我々のミッションはレガシーとしてのエレトロブラスを次世代に受け渡す事。世界最大のクリーンで再生可能な電力を作り出す会社が今、独り立ちした。もう、国の庇護は必要ない」「この会社はブラジルの電力の安全性を保証する」と語った。
連邦政府は、同社の民営化により、国民は電気代引き下げその他の恩恵を受けるとしている。鉱山動力省の見積もりでは、競争原理などにより、電気代は7・36%安くなるという。民営化プロセスの条件である電気料金引き下げのためのエネルギー開発勘定(CDE)への50億レアル拠出は、7月末までに行われる見込みだ。
だが、電力部門の関係者やアナリスト達の見方は逆で、電気代はより高くなるという。それは、発電にかかる新たな経費は消費者負担とするという項目を連邦議会が民営化に関する規定に盛り込んだためだ。
民営化により、国は経営権を持つ最大株主の立場を降りた。これからは、どの株主も最大で10%の決定権しか持てなくなる。
なお、エレトロブラスそのものは民営化されたが、アングラの原子力発電所を傘下に置くエレトロヌクレアルと、パラグアイと共同管理しているイタイプー双国水力発電所は民営化されていない。