《ブラジル》Copom次回も金利引き上げか=高止まり懸念強まる

【既報関連】21日に中銀通貨政策委員会(Copom)の議事録が発表され、経済基本金利(Selic)が高止まりした状態が長期化する可能性が高まったと同日付現地サイトが報じた。
Copomは先週、Selicを12・75%から13・25%に引き上げた。0・5%ポイント引き上げは全会一致で決まった。Copomは会合後の記者会見で、次回の会合でも0・25~0・5%ポイントの引き上げが起こる可能性を示唆した。
先週の会合での引き上げ幅が0・5%ポイントに抑えられた最大の理由は、5月の広範囲消費者物価指数(IPCA)からインフレ高進が減速し始めたと見られている事だ。
だが、次回の会合での引き上げ示唆は市場関係者を驚かせた。市場では、今年の基本金利は13・25%で上げ止まりとの見方が出ていたためだ。
次回の会合での引き上げ示唆は、基本金利引き上げによるインフレ抑制効果が期待したほどではないとCopomが感じている証拠だ。市場では、今年はおろか来年のIPCAも目標上限以下に抑えられないのではないかとの見方が大半で、インフレが政府目標の範囲内に収まるのは再来年からとの声が強まっている。
Copomが現在の金利ではインフレ高進を押さえ込めないと見ている事は、基本金利が高い状態が長期化する可能性も示唆する。
Selicはインフレ抑制の切り札として使われ、現在は2017年1月の13・75%以来の高率だ。
だが、Selicが高いと、投資や持ち家購入などのための融資を受ける事が困難になるなどの影響が出て、景気を冷え込ませる可能性もある。
議事録には、今回の引き上げは「不確実性の高まりと金融政策の大幅な縮小段階に直面しており、今年下半期以降の経済への影響はより強まる」ためとあり、Copomが現状を非常に深刻に受け止めている事をうかがわせている。