《ブラジル》中銀がGDP成長見込みを上方修正=3月の1%から1・7%に

中央銀行経済政策担当理事のジエゴ・アブリ・ギレン氏が23日、今年の国内総生産(GDP)の成長見込みを1・7%と上方修正して発表したと23、24日付現地紙、サイトが報じた。3月時点の成長見込みは1%だったから大幅修正された。
GDPの成長率は3カ月毎に行われるインフレに関連の報告書と同時発表のはずだったが、中銀職員のストのため、インフレ報告は30日に延期された。
中銀によると、経済基本金利(Selic)引き上げによる金融引き締めの累積効果により、下半期には消費活動が冷え込み、インフレ抑制効果が表れ始める事が期待できるという。
また、継続的な刺激策と上半期に行われた社会保障システムによる貧困家庭支援策強化などにより、上半期の経済活動が3月時点より拡大している事も、成長率見直しの原因だという。
ギレン氏は、国内需要拡大の主な要因は家庭消費の拡大と投資の減少だとも語った。
また、インフレ報告全体の発表自体は30日に延期されたが、中銀はインフレに関する数字も一部分に限定して発表した。
それによると、今年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、3月時点の6・3%から8・8%に上方修正された。今年のインフレ目標の中央値は3・5%で上下1・5%ポイントの幅があるが、現状の予想値は上限の5%を完全に上回っている。
来年のIPCAは、目標中央値の3・25%に対して4%で、3月時点の3・1%を上回った。2024年に関しては、3%の目標に対して2・7%で、こちらも2・3%から上方修正された。
インフレ目標の設定と信憑性について訊かれたロベルト・カンポス・ネット総裁は、過去の対策とその効果、現存するリスクなどが将来の意思決定にどんな影響を与えるかを見極める必要があるとしつつ、目標を少し緩やかなものにする可能性もある事を示唆した。