《ブラジル》ペトロブラス新総裁は不適格=FUPなどが資格要件満たさずと訴える

【既報関連】ペトロブラスの経営審議会がカイオ・パエス・デ・アンドラーデ氏を同社総裁に承認した事を受け、石油労統一連盟(FUP)やペトロブラス社の少数株主全国協会(Anapetro)、ペトロブラス擁護議員前線が28日、リオ州の連邦地裁に総裁指名に反対する訴えを起こしたと同日付現地サイトが報じた。
これらの団体は、アンドラーデ氏は総裁職に要求される条件を満たしておらず、同社の定款などに反するとして、指名差し止めを求めた。定款では、総裁にはエネルギー業界での経験や専門知識、総裁職を遂行するために必要かつ法的に認められた学位などの条件が定められている。
だが、アンドラーデ氏の専攻は社会通信や経営・運営、企業経営だ。社会的な活動を行う団体を創設・運営した経験などはあるが、エネルギー業界での経験や石油関連の専門知識は皆無だ。
また、同氏が直前まで、経済省の書類手続き簡素化局の局長を務めていた事も、法令違反にあたるという。
今回の提訴は、議員前線会長のジェアン・パウル・プレステス上議(労働者党・PT)とFUP事務局長のデイヴィジ・バセラル氏、Anapetro会長のマリオ・ダル・ゾット氏の名前で行われ、ガルセス弁護士事務所が扱っている。Anapetroは27日も証券取引委員会に疑問を呈している。
27日に開催された経営審議会では、アンドラーデ氏を来年の4月13日までの総裁とする事と、次回の総会までの間、経営審議会の委員とする事が承認された。次回の総会の日程は未定だ。
アンドラーデ氏は28日にペトロブラス総裁と経営審議会の委員に就任したが、就任式はリオ市にある同社本社内で行われ、就任挨拶や演説もなかった。