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《ブラジル》失業率が9・8%に低下=平均所得の減少傾向継続=非正規雇用に入れ替わりか

2022年7月2日

失業率の推移を示すグラフ(6月30日付G1サイトの記事の一部)
失業率の推移を示すグラフ(6月30日付G1サイトの記事の一部)

 地理統計院(IBGE)が6月30日、5月までの3カ月間の失業率は9・8%、失業者は1060万人だったと発表したと同日付現地サイトが報じた。
 昨年同期の失業率は14・7%、前期(2月までの3カ月間)の失業率は11・2%、4月までの3カ月間は失業率10・5%、失業者1130万人だから、雇用回復は続いている。失業者は前期比で140万人(11・5%)、昨年同期比で460万人(30・2%)減った。
 失業率が1桁に戻ったのは2016年1月までの3カ月間の9・6%以来、5月までの3カ月間で見ると、2015年の8・3%以来の低率だ。全就労者数は2012年の統計開始以来、最多の9750万人となり、前期比で230万人(2・4%)、昨年同期比で940万人(10・6%)増えたという。
 IBGEのアドリアナ・ベリングイ氏は、「パンデミックで生じた2020年の就労者数の落ち込みは2021年を通じて徐々に回復していた。今年も年頭は小さな動きだったが、その後は経済活動の回復で雇用も増えている」と語った。
 ただ、初任給の低下や給与調整がインフレ率以下だったりして、平均給与は2613レアルにとどまった。この額は2月までの3カ月の2596レアルより増えたが、昨年同期の2817レアル(インフレ調整後)比では7・2%少ない。平均給与額低下は正規雇用率の低下とも関係しているが、給与額低

大統領が再選した年のインフレ率と失業率(6月30日付G1サイトの記事の一部)
大統領が再選した年のインフレ率と失業率(6月30日付G1サイトの記事の一部)

下は正規雇用者の中でも起きており、インフレ高進の影響が否めない。
 給与総額は2498億レアルで、前期比で3・2%、昨年同期比で3%増えたが、コロナ禍前の2626億レアルは下回った。
 なお、同日発表されたコンサルタント会社の集計では、5月に辞職した正規雇用者は57万2364人で、5月の離職者(168万3942人)の36%に及び、3月の60万3136人に次ぐ記録的な数字だと報じられた。12カ月間では正規雇用者617万5088人が辞職し、同期間中の離職者(1869・4万人)の33%を占めたという。
 12カ月間の辞職者の累計は2020年8月以降増加し続けており、現在の数字は20年5月までの累計を50%上回っている。
 正規雇用者が記録的な離職者数となっているのに失業率が低下しているのは、その分、より低賃金の非正規雇用者に入れ替わっていると見られている。


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