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《ブラジル》サンパウロ州知事選でフランサ氏が出馬断念=ハダジと連立で上議候補に=9日にジアデマで正式発表

2022年7月7日

フランサ氏(PSB公式)
フランサ氏(PSB公式)

 サンパウロ州知事選の候補の一人と目されていたマルシオ・フランサ元知事が所属のブラジル社会党(PSB)に知事選出馬を断念し、フェルナンド・ハダジ氏(労働者党・PT)をサンパウロ州知事候補とするシャッパ(連立名簿)で上議選を目指す意向を伝えたことが明らかになった。5、6日付現地紙、サイトが報じている。
 フランサ氏の選択はPT、PSB双方にとって、連立構想を立て始めたときからの懸案だった。両党はルーラ氏を大統領選で押すべく連立(フェデラソン)を組もうとしていたが、知事選で意見の食い違いが生じ、大統領選での協力のみの関係となっていた。
 ルーラ氏の副候補になるためにジェラウド・アウキミン元サンパウロ州知事はPSBに移籍したし、同氏の知事時代の副知事がフランサ氏だった関係から、通常であれば連立を組むところだった。だがサンパウロ州知事選でPSBはフランサ氏を知事候補にすることにこだわり、ルーラ氏は自身の後継者であるハダジ氏を候補にすることを譲らなかったため、決断が長期化していた。
 だが、6日付フォーリャ紙サイトによると、フランサ氏は既にPSB幹部や党の候補者らに知事選を断念し、上議選挙を狙う意向を伝えたという。
 その理由としてフランサ氏は、6月末に発表されたダッタフォーリャのサンパウロ州知事選の世論調査で、28%の支持率で1位だったハダジ氏に及ばない2位(16%)に終わったことをあげた。
 それに加え、フランサ氏自身が知事候補になる条件であった社会民主党(PSD)のシャッパ形成が困難であることも理由として上がっている。PSD党首で元サンパウロ市市長のジルベルト・カサビ氏はルーラ氏支持だが、サンパウロ州支部はボルソナロ大統領支持のため、大統領推薦のタルシジオ・デ・フレイタス氏(共和者・PR)を支持したがっている。
 フランサ氏は6日にカサビ氏と会い、ハダジ氏のシャッパにPSDを組み入れることも視野に入れた話し合いを行ったという。ひとつはカサビ氏を自身の上議選の補欠にする、もうひとつはハダジ氏の副候補をPSDから出させるというものだが、PT側は、カサビ氏がPSD内部の統制危機を招くようなことはしないだろうと見ている。
 フランサ氏の決断には、3日に開かれた、ルーラ氏、アウキミン氏、ハダジ氏との昼食会も影響している。昼食会は夫人同伴で行われ、フランサ氏の妻のルシア夫人が「PTは政治的な約束を守らない」と批判したのに対し、ルーラ氏と結婚して間もないジャンジャ夫人が「以前のことを私は知らないが、約束は必ず守る」と仲裁したという。フランサ氏自身も、この一件も決断のきっかけとなったと周囲に語っている。
 上議選では、ここまで圧倒的な人気で支持率1位だったニュースキャスターのダテナ氏が出馬を断念。フランサ氏にはかなり有利な状態となっている。
 フランサ氏の上院選出馬は、9日に開催されるサンパウロ州ジアデマでのルーラ氏のイベントで正式発表される予定だ。ジアデマはPTが初めて市長を出した市で、ここでのイベントは重要視されている。


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