《ブラジル》ポウパンサ出超額で新記録を更新=上半期は504・9億レ
中銀が7日、上半期の貯蓄預金(ポウパンサ)は引出額が預入額を504・9億レアル上回り、1995年の開設以来、最大の出超額を記録したと発表したと同日付現地サイトが報じた。
ポウパンサの動向に関するデータの発表は中銀職員のストのために約3カ月間滞っており、4~6月分がまとめて発表された。
それによると、4月は98・8億レアルの出超だったが、5月は預入額が引出額を35・1億レアル上回った。だが6月は再び、37・6億レアルの出超となった。6月の出超額は、同月としては2015年以来の高額だった。
2020年はポウパンサへの預入額が引出額を355億レアル上回った。これは、新型コロナのパンデミックで公債市場が不安定になった事と緊急支援金の支払いが影響した。緊急支援金は連邦貯蓄銀行が開設したデジタルのポウパンサ口座に振り込まれていた。
これに対し、昨年は引出額が預入額を355億レアル上回った。これは緊急支援金の支給停止や、高インフレと経済基本金利(Selic)引き上げとで同口座においておくと目減りし始めた事が主な原因だ。
昨年の出超額は、景気が大きく落ち込んだ2015年の535・7億レアルや2016年の407億レアルに次ぐ、大きなものだった。
ポウパンサの利息は昨年12月までSelicの70%だった。だが、それ以降はSelicが8・5%を超えたため、参考金利(TR)+6・17%となっている。
それでも、6月までの12カ月間のポウパンサの利息は5・75%で、8日に発表された同期間中の広範囲消費者物価指数(IPCA)の11・89%を大幅に下回っている。