政権移行スタッフ文化部門にフロッタ氏=元ボルソナロ支持者登用に賛否

ジェラルド・アルキミン次期副大統領は22日、政権移行文化部門スタッフに、かつて熱心なボルソナロ大統領支持者だったアレッシャンドレ・フロッタ下議を選び、賛否両論を呼んだ。23日付現地紙が報じている。
フロッタ氏は元有名ポルノ男優で、2018年頃にネット上でボルソナロ氏を熱心に支持。ボルソナロ氏の社会自由党(PSL)から出馬し、下議として当選した。だが、フロッタ氏は下議就任直後からボルソナロ氏に対して幻滅したと繰り返し口にしはじめ、反抗的な言動を行うようになった。19年8月にはPSLを追放され、アルキミン氏の前党でもある民主社会党(PSDB)に移籍した。下院でのフェイクニュースに関する議会調査委員会(CPI)では、ボルソナロ氏の息子たちのネット戦略を批判した。
フロッタ氏は22年の選挙でサンパウロ州議に出馬したが落選。国政ではこれまでの姿勢から一転してルーラ氏を支持して話題となった。
フロッタ氏の政権移行スタッフへの参加は同氏がPSDBを離党し、ルーラ氏の労働者党(PT)の協力党の社会秩序共和党(PROS)に移籍していることで可能となった。
この起用には、「かつて対立していた勢力でも受け入れる」とする、次期政権の寛容な姿勢を示すものだと解釈する向きもあり、こうした意向が汲める人の間では歓迎の姿勢が見受けられる。
だが、PT支持者を中心に反対の声も少なくない。重鎮俳優のジョゼ・デ・アブレウは、「芸術家たちへの侮辱」としてこの指名を強く嫌悪。また、同氏の指名を皮肉る冗談画像(ミーム)もネット上で多く見られた。