抗議行動でナチス式敬礼=告発したPT市議が罷免に
サンタカタリーナ州で4日、昨年11月に起きた抗議行動でボルソナロ大統領(自由党・PL、当時)の支持者たちがナチス式の敬礼をしたと告発した女性市議が罷免された。4日付現地紙、サイトが報じている。
罷免されたのは、同州サンミゲル・ド・オエステ市議だったマリア・テレーザ・カプラ氏(労働者党・PT)だ。同氏は昨年の11月2日、3日前の大統領選決選投票でルーラ氏(PT)に敗れたボルソナロ氏の支持者たちが国道封鎖などの抗議行動の際にナチス式の敬礼を行ったとしてその映像をネットで拡散した。
だが、カプラ氏はこの拡散によって殺害予告を受けるなどの被害を受け、市議会からも「虚偽拡散」などを理由に罷免審議にかけられた。さらに、同氏が市のコンサートの出演者を入札なしで選んだことを訴える別の訴状も出された。
同氏の罷免審議は3日に始まり、4日未明に行われた投票では、10対1でカプラ氏の罷免が決まった。
カプラ氏の弁護士は裁判所に訴える意向を示し、PTもカプラ氏を支持する声明を発表している。
サンタカタリーナ州は昨年11月、サンペドロ・デ・アルカンタラで8人のネオナチが逮捕されている。
彼らは着衣や毎年の集会参加などでネオナチであることが明確で、殺人未遂なども起こしていたため、起訴されて、被告となった。だが、カプリ氏の場合は挨拶だけではナチス信奉者とはいえないとの検察の判断が出たことで、根拠もなく虚偽の情報を流し、善良な市民をナチ呼ばわりしたと責められていた。