自動車業界で集団休暇=需要減で在庫ダブつき

乗用車などの需要低迷で在庫がだぶつき、20日以降、集団休暇を採用する自動車メーカーが続出と20日付エスタード紙(1)やR7サイト(2)が報じた。
集団休暇採用を決めたのは現代、ステランティス(フィアットやプジョー、ジープ、シトロエンの各銘柄の所有者)、GM(ジェネラルモータース)だ。
このグループは、部品(各種のチップなど)の供給不足のために2月22日~3月3日に集団休暇を採用したフォルクスワーゲンとは違い、生産量調整のための集団休暇を採用する。集団休暇の対象となる従業員は1万人に及ぶ見込みだ。
20日から休暇に入るのは現代で、3交代制でHB20とCretaを生産しているサンパウロ州ピラシカバ工場の従業員全員が3週間の集団休暇に入る。
ステランティスはペルナンブコ州ゴイアナ工場の第2班が22日から20日間、第1、第3班がその1週間後から10日間、休暇を取る。ステランティスは2月末も集団休暇の採用などで生産調整を行っている。
GMもサンパウロ州サンジョゼ・ドス・カンポス工場でのS10とTraiblazerの生産を27日から4月13日まで停止する。
車の販売量はコロナ禍前の2019年の時点でも年278・7万台に低下していたが、2022年の販売数は210・4万台で、19年を24・5%も下回っている。
2021、22年の自動車業界は中国などからの部品の供給量不足による生産台数減少に苦しんだが、現在は需要が減り、生産調整が必要となっている。
部品不足やコロナ禍による生産制限が厳しかった時期は在庫が10日分まで落ち込み、納品が6カ月後という事態も生じていたが、2月末現在の在庫は40日分の販売量にあたる18・74万台となり、適正在庫とされる30~35日分を上回っている。
また、部品不足や感染抑制のための生産制限などで供給数不足となっていた時期は中古車価格の上昇が見られたが、現在は中古車価格の上昇が止まり、在庫を減らすための新車のプロモーションが復活しているという。