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21世紀になっても?=相次ぐ人種差別に思う

2023年4月13日

クリチバでの事件について報じる10日付G1サイトの記事の一部
クリチバでの事件について報じる10日付G1サイトの記事の一部

 パラナ州クリチバの大型小売店で7日、43歳の黒人女性が下着姿となり、人種差別への抗議を行った。女性は抗議活動の数時間前に同店を利用した際、何かを盗むのではないかと疑われ、警備員に30分以上つきまとわれた。女性は子供達の代にまで黒人差別が及ばないようにと考え、抗議行動を起こした。
 彼女は体に「私は脅威ですか?」と大書。SNSに投稿したビデオでは、店から犯罪者予備軍、店にいて欲しくない部外者のように扱われたと嘆き、「こんなことが繰り返されるのは受け入れられない」と語っている。
 店側は警備員の行動に問題はなかったとする一方、客に不快感を与えたことを詫び、今後のトレーニングに反映させることを約束した。しかし、このエピソードは瞬く間に知れ渡り、大統領からの批判まで呼んだ。
 他方、リオ市では9日、犬の散歩に出た高級住宅街に住む女性が、歩道にいた黒人の配達人達に難癖をつけ、配達人の顔を殴り、犬の散歩用皮紐で暴行を加えるなどし、人種差別と傷害罪で警察沙汰になる騒ぎが発生した。
 彼女の言動には多方面から反発が起き、彼女がビーチバレーを教えている学校は、市役所からライセンス取り消し処分を受けた。
 この事件でも、被害者の一人は「彼女は自分を奴隷のように扱った。彼女は奴隷時代はとっくの昔に終わったことを忘れている」とした後、「このような状況は受け入れられない」と語っている。
 12日付弊紙1面で報じた「銀行連盟=女性への暴力防止策を発表=真の意味の男女平等目指し」の記事中には、職員組合会長が「21世紀になっても女性への暴力防止策について論じあう必要があることは悲しい」と語ったとあるが、人種差別問題も然りだ。
 人の価値は肌の色や性、学歴などでは決められない。その昔、自分は可愛くないと悩む少女に「人間は一皮むいたら皆同じ」と教えた教師がいたという話を読んだが、一人一人の内側にあるものにこそ目をとめるべきだと改めて思う。
 奴隷解放や人類皆平等との掛け声から何年経てば、真に平等な社会が実現するのか。21世紀になってもこんな出来事が続いていることは受け入れ難く、悲しいが、連邦議会では両院合同で人種差別と闘う議員前線ができ、最初の活動を行ったという。(み)


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