アマパー州=海軍が酸素や病院用機材を輸送=呼吸器系疾患急増が止まらず

【既報関連】呼吸器系疾患の患者は全国的に増加傾向にあるが、子供を中心とする重症患者急増で緊急事態も宣言していたアマパー州に対し、ブラジル海軍が大型の酸素タンクなどを緊急輸送することを決め、21日にパラー州を出たと同日付G1サイトなど(1)(2)(3)が報じた。
同州でインフルエンザや呼吸器合胞体ウイルス(RSV、ポ語はVSR)による重症急性呼吸器症候群(SARS、ポ語はSRAG)患者が増えていることは14日付アジェンシア・ブラジルなど(4)(5)でも報じており、13日までのSARSによる入院患者数は昨年同期比で108%増加。重症者は7カ月~4歳の子供中心に増え、13日現在の小児用集中治療室(ICU)は満杯になっていた。162人の子供のSARS患者中、29人はICUで挿管されていた。
同州政府は13日に公衆衛生上の緊急事態を宣言し、サンタナ市の私立病院のICUを増やすなどの対策も講じていたが、事態が鎮静化する様子が見られないことなどから、1万2千トンの酸素のタンク二つや病院で使う種々の機材を積み込んだ船が21日にパラー州を出発。23日にはアマパー州サンタナ港に到着する予定だ。
州保健局によると、州内の病院への酸素の供給は正常な範囲で行われており、病院で使用する機材の在庫も安定しているが、新たなICUが機能し始めた時や状況が変化した時のため、パラー州に保管されていた転送可能な酸素や機材の緊急輸送が決まったという。酸素の供給は通常、発注から45日かかる。