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電機電子業界=中国企業進出が本格化=規模拡大で競争激化へ

2023年6月15日

格力電器エグゼクティブマネージャーのカルロス・ムラノ氏(13日付エスタード紙の記事の一部)
格力電器エグゼクティブマネージャーのカルロス・ムラノ氏(13日付エスタード紙の記事の一部)

 ブラジルの市場や需要の大きさ、ラ米諸国への足掛かりとなる可能性などに注目した中国企業がブラジル進出や規模拡大を進めており、冷蔵庫や洗濯機、テレビ、ストーブ等の製造・販売メーカーは熾烈な競争を強いられることになると13日付エスタード紙(1)が報じた。
 ブラジル進出や規模拡大を進めているは、中国大手のGree、Midea、Hisense、TCLなどだ。
 Gree(グリー・エレクトリック、格力電器)は世界最大級の住宅空調メーカーで、冷蔵庫や洗濯機等も扱う。昨年の世界収益は264億ドルで、ブラジル進出は2001年。アマゾナス州マナウスで製造中の空調機は10年間、シェア1位だ。同工場従業員は1500人で昨年は空調機を60万台製造。今後は別の商品も手掛ける。
 Mideaグループ(美的集団)は「省エネ・環境保護、美しい世界」を掲げる中国一の家電会社で、空調機や冷蔵庫、電子レンジ等を扱っている。昨年の収益は530億ドルで総従業員数は16・6万人。2011年に米国Carrier社とのベンチャー企業としてブラジルに進出し、アマゾナス州マナウス工場で空調機や電子レンジ、リオ・グランデ・ド・スル州カノアス工場では商用空調システムを製造中だ。
 白物家電は輸入販売だが、乾燥機能付ドラム式洗濯機の国内シェアは25%。以下、ミニバー56%やチェストフリーザー27%、並列型冷蔵庫11%、食器洗い機13%と続く。5億レアルを投じてミナス州ポウゾ・アレグレに建設中の工場は来年末に操業予定。冷蔵庫販売で4年以内の3位入りが目標で、新工場は2ドア冷蔵庫のシェア拡大の鍵だ。
 海信電器と海信科龍電器の二つのグループ企業からなるHisense(ハイセンス)は、商用と家庭用の中央空調システム等の製品の設計~販売を手掛け、エアコン市場では世界トップクラスだ。昨年の収益は275億ドルで、ブラジル進出は今年。
 現在はサンパウロ州の実店舗Viaで中国や欧州製の冷蔵庫や乾燥機能付洗濯機、空調機等を販売中で、年内にはテレビの製造を始める意向。将来は白物家電も製造する予定だ。
 TCL科技集団は携帯電話やパソコン、家電機器、照明、電子媒体を手掛け、テレビの製造量は世界2位だ。昨年の収益は230億ドルでブラジル進出は2016年。ブラジルではSemp銘柄でテレビ販売に参入、独自ブランドも売り出す意向だ。2020年に合弁会社の株式の8割を取得し、テレビでは東芝銘柄で同様の戦略を適用。Multi社との提携も締結済みだ。販売品目はテレビやオーディオ製品、空調機で、年内には冷蔵庫と洗濯機の輸入販売も始める。


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