サントス=海底トンネル構想が具体化へ=念願の物流ボトルネック解消

97年前から懸案となっていたサントス―グアルジャー間(以下、SG間)のトンネル建設工事が現政権の新経済活性化計画(PAC)に組み込まれることになり、実現に向けた歩みが具体的になりつつある。
ルイ・コスタ官房長官が新PACに関する発表を行ったのは25日で、その中にSG間のトンネル工事も入っていることは25日付フォーリャ紙サイトなど(1)(2)(3)(4)(5)が報じた。新PACは年600億レアル、総額2400億レで、官民合同プロジェクト(PPP)として扱うことなどの正式発表は8月11日となることは25日付ポデール360(6)も報じている。
PACの事業は各連邦自治体との協議を経て決められており、20日付G1サイト(7)によれば、サンパウロ州ではカンピーナス~サンパウロ市間の鉄道事業もPAC事業に含まれる。
6月8日付G1サイト(8)によると、サントス港湾局(APS)のアンデルソン・ポミニ局長は、SG間のトンネル建設は2024年に着工、総工費は50億レの見込みで、手持ち資金は20億レであることや、環境当局と連邦政府がライセンスを認可し次第、公告を出す意向であることを明らかにしている。
20日付フォーリャ紙(9)は、港湾航空省の承認を得たことで同トンネルの建設は2028年末までに完了する見通しが出てきたとしている。サントス河口両岸の接続は物資と人の輸送の国内最大のボトルネックだ。SG間のフェリーは1日7万8千人が利用。サントス港で扱う貨物を運ぶトラック1万台は45キロを移動する必要があり、海底トンネル建設は長年の望みだった。
APSは2012~14年に道路開発公社(Dersa)が開発したプロジェクトの適応化などのため、20日にサンパウロ州の地方建築・工学・農業技術協議会(Crea)と技術協力協定を締結。868メートルのトンネル内は両側3車線で、中央に軽量鉄道(VLT)と歩道、自転車専用道が設けられる。見積もり額は58億レで、完成後の通行料金はフェリーと同額となる見込みと報じられた。
他方、27日付ア・トゥリブナサイト(10)は、26日のポミニ局長の言葉として、トンネル建設は港湾航空省と連邦政府の優先事業となり、実現に向けた歩みを踏み出す時が来たとの見解と、総工費は45億レで手持ち資金が25億レあること、連邦政府からの20億レは24~25年に支払われるはずで、工期は24~28年の予定であると報じている。