ブラジルの経済成長率は2・1%=IMFが新たな報告書で言及

国際通貨基金(IMF)が7月31日、IMF設立協定第4条に基づく定期報告書の中で、ブラジルの今年の経済成長率は2・1%、来年は1・2%、今後数年間の中期的な経済の潜在力は2%程度と発表したと同日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
IMFは加盟190カ国・地域の全てに定期的な評価を行い、その報告書を公表している。同報告書では連邦政府が提唱する経済目標などを指し、「包括的で持続可能な成長という野心的な課題」と強調しているという。
財務省によると、連邦政府はIMFの見解は保守的で、市場推計の中央値を下回っていると評価している。
IMFはインフレ動向についても、コアと期待は大きな抵抗を示しているが、強い下降傾向を続けていると評価。これは中央銀行が慎重を期し、経済基本金利(Selic)をなかなか切り下げないことなどを指していると思われるが、政府や市場関係者は1~2日の通貨政策委員会(Copom)ではSelicが0・25~0・5%ポイント切り下げられると見ている。
IMFはブラジ政府が提案した課題達成のためには、短期及び長期の経済的課題に直面する必要があることも指摘。IMFが指摘する課題には、相対的に低い潜在成長率、家計債務、公共投資を含む優先支出のための潜在余地の欠如、気候変動に伴うリスクなどが挙げられているという。
また、税制改革や新たな財政の枠組み、租税紛争解決のためのメカニズム強化、債務不履行者の再交渉政策であるデゼンローラ計画などは肯定的に評価されているという。