人文研=理事長に元エ紙論説委員保久原氏=「移民史文献のポ語訳進める」

「移民史に関する日本語文献のポ語訳を進め、ブラジル人学者に広く活用される存在に」――エスタード紙論説委員を退職した保久原淳次ジョルジさん(77歳、2世)が、6月1日の総会でサンパウロ人文科学研究所の理事長に就任し、そう抱負を語った。
保久原さんは「移民関連資料の保存、日系社会調査・研究など人文研が今まで積み重ねてきた実績をさらに強め、ブラジル社会で活かせるようにするために、移民史の重要文献のポ語訳を進めたい。女性移民、沖縄移民などの研究テーマをさらに深堀りしたい。そして研究者だけでなく、若者に広く興味を持ってもらえるような材料にしたい」との希望を持っている。現在日程は未定だが、就任セレモニーを企画しているという。
保久原さんは1946年にサンパウロ州アララクアラ市生まれ。サンパウロ総合大学工学部、哲学文学人間科学学部ジャーナリズム科で学び、フォーリャ・ダ・タルデ紙、ヴェージャ誌、ヴィゾン誌、ラジオ・ジョーヴェン・パンなどで職歴を積み、1989年からエスタード紙へ。そこで社説を書く論説委員にまでなり、昨年退職した。
著書には勝ち組だった父の歴史を中心に家族史を記した『O súdito (Banzai, Massateru!』(2006年、Editora Terceiro Nome、臣民、万歳、マサテル)など。
6月1日の総会で決まった2023―26年の新体制は以下の通り。理事長=保久原淳次ジョルジ、第1副会長=松原モラエス礼子、第2副会長=古杉征己(まさき)、第1書記=シラスナ・カズエ・マリザ、第2書記=細川多美子、第1会計=大塚ウイルソン。理事=鈴木妙、佐藤直(すなお)、和田エイジ・ロドルフォ、坂口律子、横溝みえ、宇都宮スエリ。監査=山下リジア、山室エルベルト信(まこと)、園田昭憲(あきのり)、丹羽義和(補欠)。相談役会=大原毅(つよし)、渡部和夫、小川彰夫、植木茂彬(しげあき)、西尾ロベルト、平田エレナ