報奨付証言=トフォリの決断で波紋=LJ作戦関係者の処罰も?

【既報関連】ジアス・トフォリ最高裁判事が6日に建設大手オデブレヒト社がラヴァ・ジャット(LJ)作戦の捜査で行ったレニエンシア(企業版報奨付証言)で得た証拠を全て無効とする判断を下したことで、国内外で断罪された人や企業の扱いや報奨付証言を用いた捜査の在り方などに懸念や疑問が生じている。
6日付G1サイトなど(1)(2)(3)(4)によると、証拠無効化の判断は連邦検察庁パラナ支部のLJ特捜班が米国やスイスの司法機関などと非公式に交渉して協力を得ていたことを問題視したもので、「ルーラ氏逮捕は仕組まれたもの」「司法界最大の過ち」とも語った。
トフォリ判事はクリチバ連邦地裁やLJ特捜班に10日以内に同社が行った報奨付証言に関する資料を全て送るよう命じると共に、連邦検察庁や総弁護庁などに同社が報奨付証言を行うに至った経緯や責任者を調べることなどを命じた。同社の報奨付証言で得た証拠が無効となれば、これらの証拠を基に行われた裁判の結果も無効となる。
6日付ポデール360(5)は、リカルド・レヴァンドフスキー元最高裁判事が6日に、同社が関与する裁判における証拠収集の「欠陥」を特定していたと発言したことも報じた。同判事はLJ関連の裁判の多くで報告官を務めており、オデブレヒト社からのルーラ研究所への寄付や同研究所による土地の購入、ジルマ政権でのスイス製戦闘機36機の購入などで生じた裁判打ち切りを2月に命じている。
今回の判断の影響は大きく、6日付CNNサイトなど(6)(7)(8)は、国内外での裁判で有罪となった人や企業が裁判無効を訴える例が増える可能性などに触れている。
4年前、検察庁の組織再編でLJ特捜班を解体し、LJ作戦を破壊したと批判されたアウグスト・アラス連邦検察庁長官は7日、正義と復讐を混同したメディアからいわれのない批判を受けたが、社会は今、LJ作戦の呪われた遺産と、命や政治、経済、国家の主権を侮辱する手口を目の当たりにしていると宣言し、LJ作戦を批判した。
7日付オ・グローボ(9)は、LJ作戦で締結した他の合意の一部も無効になる可能性があるとし、元連邦地裁判事で現上議のセルジオ・モロ氏や当時の特捜班副主任で元下議のデルタン・ダラグノル氏など、同作戦に関与した人物処罰の可能性も指摘している。
6日付インフォ・マネー(10)によると、政界の反応は様々で、連邦政府や労働者党(PT)などは証拠無効化は正当な判断としているが、モロ氏はPT関係者らによる汚職は実在したとして無効化判断を批判。ロジェリオ・マリーニョ上議(自由党・PL)はLJ作戦は諸段階の裁判所でも裁かれ、国庫に60億レアルを返却させたことを挙げながらトフォリ判事の判断を嘆いた。
7日付フォーリャ紙サイト(11)は、検察当局は連邦検察官達が民事や刑事の裁判で処罰されることを回避するため、オデブレヒト社の報奨付証言に基づく証拠無効化に控訴する意向だが、「証拠無効化が覆される可能性は低い」と報道している。