中銀=基本金利の低下幅増否定=インフレ抑制状況に注目

【既報関連】中銀が26日に公開した通貨政策委員会(Copom)の議事録によると、経済基本金利(Selic)の引き下げが加速される可能性は薄いことが明らかになったと同日付G1サイトなど(1)(2)(3)が報じた。
Copomは20日、2会合連続でSelicを0・5%ポイント引き下げ、年12・75%とした。この下げ幅は市場も予想していたもので、全国工業連合や政府の経済スタッフも肯定的な反応を示したが、労働組合などは経済活動を活性化するために引き下げ幅を上げることを求めていた。
議事録では、現時点でのインフレ率予測はインフレ目標の上限値以上で、2024年のインフレを公式目標の範囲内に抑えるための努力は緩和できないと明言。引き下げは続けるが、下げ幅引き上げの可能性は薄いことを明らかにした。
また、財政均衡法に盛り込まれた、2024年の基礎的財政収支の赤字をゼロとするという目標を達成できるかという点についても、市場にはインフレ期待に反映される不確実性があると評価。これらの目標達成を追求することの重要性を強調している。
Copomがいうインフレ抑制努力継続の必要性は、26日に発表された15日締めの広範囲消費者物価指数(IPCA‐15)でも示された。26日付G1サイトなど(4)(5)によると、IPCA‐15は燃料の値上がりなどもあり、前月比で0・35%増を記録。今年の累計は3・74%増、12カ月間では5%増で、8月までの12カ月間の4・24%増を上回った。12カ月間の累計が8月までを上回ることは昨年下半期に生じたデフレ効果が削がれることで予測されていたが、食料品の価格低下がインフレ圧力を和らげた。
インフレや為替の動きは国外の動向や天候の影響もあるため、中銀だけではコントロールが困難だが、Copomが2度の会合で1%ポイントのSelic引き下げを行い、今後も引き下げる意向を表明していることなどもあり、ルーラ大統領は27日夕刻にカンポス・ネット中銀総裁と会談を行うことを了承。
26日付G1サイト(6)によると、ルーラ氏は就任後も総裁批判を繰り返しており、会談実現は両者の関係が改善した証拠と見る向きもある。なお、27日付G1サイト(7)によると、ネット氏は27日朝、下院の公聴会に参加し、財務省が望んでいるような多額の特別歳入があるかや予算の切り詰めが可能かは別として、連邦政府が基礎的財政収支の赤字ゼロを目標とし、努力し続けることはブラジルへの信頼感回復に役立つと語った。