リオ・グランデ・ド・スル州=風水害の被害止まらず=サイクロンや寒冷前線で

【既報関連】リオ・グランデ・ド・スル州では26日に再びサイクロンが発生した上、寒冷前線通過もあって、26~27日も洪水その他の被害が続発。27日にはエドゥアルド・レイテ知事がブラジリアでルーラ大統領と会って支援継続を依頼しており、28日にジャンジャ大統領夫人を含む政府派遣団が現地を訪れ、実態把握と支援についての話し合いも行ったと27、28日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)が報じた。
28日付アジェンシア・ブラジル(3)によると、今回のサイクロンと寒冷前線による被害に伴い、州防災局は洪水警報を28日まで延長。最も深刻なのは警戒水位を3メートル以上超えているグラヴァタイ川流域で、グアヴァタイ、カノアスの両市の間は特に水位が上がっている。また、シノス川はタクアリからサンレオポルドまで、カイー川はサンセバンスチアン・ドカイーからモンテネグロまで、サンタマリア川はロサリオ・ド・スルで、イビラプイタン川はアレグレッテで増水が起きており、引き続き、警戒が必要だ。
ポルト・アレグレ市のグアイーバ湖も27日に警戒水位を37センチ超える3メートル17センチに達し、周辺道路が冠水している。同市防災局はグアイーバ湖の水位は29日から下がり始めると見ているが、浸水被害地区の住民は、市役所が指定した体育館や教会、学校などに避難している。同市市役所によると、グアイーバ湖の水位は82年間で最高で、歴史的な建造物があるポルト・アレグレ歴史センターの水位は4・75メートルに達している。
また、グアイーバ湖が増水したため、市役所は水門の閉鎖を指示。これによって同地域の港湾は27日から利用停止となったが、28日午後はカイス・マウアの水門三つを開けると発表された。
同州では4日からの風水害でタクアリ渓谷中心に50人の死者が出ている。また、現在も8人が行方不明のままだ。
28日朝にはヴァルデス・ゴエス地域開発統合相やウエリントン・ジアス社会開発相、パウロ・ピメンタ社会通信局長官、パウロ・テイシェイラ農業開発相といった閣僚やジャンジャ大統領夫人らが現地を訪問。連邦政府の派遣団はポルト・アレグレ市やラジェアド市などを上空視察した後、レイテ知事との会合も行った。
レイテ知事は27日にルーラ大統領と会合を持った折りに新たな支援の約束なども取り付けた。28日付アジェンシア・ブラジル(4)によると、28日付連邦官報には、非常事態の認定と共に、2024年12月までは財政責任法の適用を緩和することを認める大統領令が掲載された。