PSOL=新党首選出で乱闘騒ぎに=党内対立構図が浮き彫り

極左の社会主義自由党(PSOL)は1日、党大会で役員選挙を行ってギリェルメ・ボウロス派の連立候補が67%を獲得し、来年の地方選挙に向けて党内の支配体制を強固にした。ボウロス氏は次期サンパウロ市市長候補として動向が注目されており、同氏が推すエスピリトサント州出身の歴史家のパウラ・コラディ氏が党首に選ばれた。コラディ氏は2026年までPSOLを率いることになると、同日付CNNブラジルなど(1)(2)(3)が報じている。
首都ブラジリアで開催された第8回党大会では、ボウロス派の候補が67%の票を得、ルーラ大統領(労働者党・PT)政権からの独立を説く社会主義左翼運動(MES)派の33%を上回った。
1日の党大会では投票前、対立するグループ同士が挑発し合い、騒動に発展、各候補の支持者たちがステージに上がって押し合いとなり、男性1人が他の党員に殴りかかろうとする場面も見られたため、マイクを持った人物が制止し、即座にステージから降りるように命じた。
ボウロス氏の反対派は、党指導部に圧力をかけ、保守的な立場の前進に対抗する姿勢を政府に求めている。
MESを率いるサミア・ボンフィン下議は、「最高裁の進歩的な姿勢に反抗する連邦議会に対決するよう政府に求めるには、もっとPSOLの独立性が必要だ」と述べた。
また、サミア氏によれば、党内の多数派グループは少数派の入り込む余地を減らすために手続き上の策略を練っているという。「彼らは、我々、少数派からスペースを奪おうとしている。党の指導部における比例性を崩すためにクーデターを仕掛けようとしている」と非難した。
一方、ボウロス氏の支持者は、「クーデター」ではなく、党内の力関係の変化があったと主張している。PSOLは04年に労働者党(PT)から分派して設立され、MESの支持者がPSOL内の40%を占めていたが、その後の活動が減少し、支持率が33%に低下したと主張している。今回の出来事で党内での対立や意見の食い違いが浮き彫りになったと報じられている。