USP=教師学生ストほぼ終結=大学側からの提案受け

9月20日から続いていたサンパウロ総合大学(USP)のストライキを終結する決定が下された。法学部、経済学部、天文学部、地球物理学部と大気科学研究所(IAG)は10日の夕方に投票を行い、16日から授業を再開する。既に決定を下している工学部と歯学部がこれに加わると、11日付エスタード紙など(1)(2)が報じている。
大学側が10日、学生の要望に応じる20以上の約束事項を提示し、その数時間後に実施された学生会議でストライキの終了が決定した。
大学側から提案された約束事項には、教員1027人の雇用、低所得の学生向けの奨学金増額、教員不足を理由にいかなるコースも閉鎖しないことの保証、東部キャンパスへの託児所建設、ストライキ参加による制裁を受けないなどという項目が含まれる。
カルロス・ジルベルト・カルロッティ・ジュニオル学長は10日に声明を発表し、授業と研究の再開を歓迎し、大学コミュニティが通常の活動に戻ることを奨励。同時に、教育の継続と学生の成長に対して注力する旨を再確認した。
法学部の学生団体「XI de Agosto」は、ストライキの終了と、学部へのアクセスを妨害していたピケの解体を発表した。同学部では、16日に授業を再開する予定。
学生会議での投票では、経済学部、経営学部、会計・数理科学部(FEA)の学生も、162票対111票(棄権3票)でストライキ終了を支持し、決定が可決された。
一方、文学部の学生は、ストライキを続けることを決定し、新たな学部会議を開催することを計画している。USPの学生全体の協議会も11日夜に招集され、大学内での連帯を強化した。
また、10日には教員も総会を開催し、ストライキから抜けることを決定している。彼らは大学側の提案に同意し、同時に学生をサポートし、提案の実施に向けて協調することを表明した。
しかし、一部の教授たちは「進歩が認められたとしても、教師不足に関連する問題の解決を危うくしかねない側面がある」と述べ、教授の退職、解雇、死亡に伴う欠員の自動的な補充、選考プロセスにおける有色人種や先住民、性別の平等性やトランスジェンダーへの空席割り当てなど、いくつかの要望を挙げた。(3)
カルロッティ学長は10日、学生のストライキを終結させるため、24の約束事項を盛り込んだ提案書を、デモ活動を行っていた学生らに直接手渡した。
「USPで授業がない毎日は私にとって悲しく辛い日々だ。USPでの学びを止めることはできない」と語り、学生や教員の協力の下、大学全体のさらなる進歩を期待すると述べた。