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サンパウロ州議会=マスク不着用の罰金を免除=ボルソナロ氏に大きな恩恵

2023年10月19日

マスク着用義務違反で100万レアル以上の罰金を科せられていたボルソナロ氏(17日付UOLサイトの記事の一部)
マスク着用義務違反で100万レアル以上の罰金を科せられていたボルソナロ氏(17日付UOLサイトの記事の一部)

 サンパウロ州議会は17日、新型コロナウイルスのパンデミック期間中にマスク着用義務を怠った人達への罰金を免除する法案を承認した。罰金総額は7300万レアル(約21億7千万円)相当で、同州政府はこれらの収益を放棄することになる。今回の措置は、ボルソナロ前大統領を含むボルソナロ派の政治家にも恩恵をもたらす。同日付G1サイトなど(1)(2)が報じている。
 タルシジオ・サンパウロ州知事が8月16日に提出した法案は、賛成52票、反対26票、棄権2票で承認された。タルシジオ政権に反対する野党は反対票を投じた
 同法案の説明文には、パンデミックの最も深刻な段階を乗り越えた現在、罰金を維持することは合理的でなく、小額の債務処理に高いコストをかけることは州の社会経済発展に寄与しないとの主張がなされている。
 また、罰金を徴収し続けることは、公的債務に登録された債務者の信用情報を失墜させる可能性があり、人々の財政状況をさらに悪化させるとも述べている。実際、罰金を科せられたが、その支払いや債務整理ができない州民は1万人以上いるという。
 しかし、この法案への反論は根強く、罰金免除に反対する一部議員は、罰金を徴収して医療などの公共財源に充てるべきだと主張している。モニカ・セイシャス州議(社会主義自由党・PSOL)は投票に際し、「その資金は手術を待っている人々のための医療投資に充てられる。タボン・ダ・セラ市では医療を求める行列で11人が亡くなっている。同資金は新型コロナ後の統一医療保健システム(SUS)の対応を待つ人の行列を減らすために使うことができる」とし、医療待ちリストに名前を連ねている患者の支援に使うべきだとの立場を取った。
 この措置による恩恵は、サンパウロ州内で罰金を科された1万1千人以上が受ける。その中にはボルソナロ前大統領(自由党・PL)も含まれている。ボルソナロ氏はパンデミック時のマスク不着用による7件の罰金未納で106万2416レアル(約3150万円)の負債を抱えており、91万3千レアルを裁判所に供託したが、サンパウロ州政府の債務不履行者リストに掲載されたままだ。法案可決で供託金は元大統領に返却されることになり、同氏に大きな恩恵をもたらすことになる。
 さらに、マスク着用を順守しなかったボルソナロ派の政治家7人も罰金が免除される。


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