三権中枢襲撃事件=両院委員会が報告書承認=前大統領ら61人起訴へ

1月8日の三権中枢施設襲撃事件に関する両院合同の議会調査委員会(CPMI)が18日、ボルソナロ前大統領を含む全61人を起訴するように要請する内容の最終報告書承認作業に入った。
17日付G1サイトなど(1)(2)(3)(4)(5)(6)によると、報告官のエリジアネ・ガマ上議は17日、5カ月間にわたる調査の結果、三権中枢施設襲撃を伴うクーデター未遂事件に関与し、起訴されるべき人物として、ボルソナロ前大統領や前政権閣僚ら、61人の名前を公表した。
報告書は八つの部分に分かれており、市民や軍人も含む61人を、犯罪組織形成や民主主義国家への暴力行為その他、26の罪状で起訴するよう、連邦検察庁に要請する内容だ。
最も注目されていた前大統領に関しては、当時のリーダーで、クーデター計画に抵抗を示した公務員やジャーナリスト、実業家、軍人、当局者らに対する攻撃の大部分に直接の責任を負っていると判断。これらの人々は前大統領の支持者達から絶え間ない攻撃を受けていたこと、前大統領や公職にあった支持者らは、国家機構を利用して人々を強制し、攻撃していたとしている。前大統領は犯罪結社や民主的な法の支配を暴力的に廃止しようとし、合法的に設立された政府を退陣させようとした、政治的な権利の自由な行使を妨げる手段使用などの嫌疑の対象で、全てが認められれば29年の実刑判決に至る可能性がある。
リストに含まれた前政権の閣僚は、アンデルソン・トレス前法相、様々な役職を担い、副大統領候補も務めたヴァルテル・ブラガ・ネット氏、アウグスト・エレノ前安全保障室長官、エドゥアルド・ラモス前大統領府総務室長官、パウロ・セルジオ・ノゲイラ・デ・オリヴェイラ前国防相だ。
また、前大統領の右腕とされた陸軍中佐のマウロ・シジ氏その他の前大統領補佐官、シジ氏がクーデター計画に賛同したと供述したアルミル・ガルニエル・サントス元海軍司令官、陸軍本部前でのキャンプ解体を認めなかったマルコ・アントニオ・フレイレ・ゴメス元陸軍司令官、投票日の検問や国道ストで前大統領や支持者を支援したシルヴィネイ・ヴァスケス元連邦道路警察長官や連邦直轄区の軍警関係者らも含まれている。
また、ブラジリア空港の傍でトラック爆破を図った容疑者や虚報拡散を担当していた「憎悪部隊」のメンバー、反民主主義的行為の扇動や財政支援、襲撃への参加などが判明している農業生産者なども含まれている。
ガマ上議は、前大統領の名前は親しい人達によって言及されたもので、現代のクーデターは兵士や戦車を使うのではなく、デジタル環境下での国家の象徴使用を含む「嘘の流布と憎しみの伝播」で起きると主張。他方、国軍は全体として、「合憲性」を重視し、民主主義の崩壊を阻止する上で重要な役割を果たしたとも述べた。
18日付アジェンシア・ブラジル(7)によると、18日のCPMIでは全体討議後、20対11で報告書を承認した。ただし、報告書通りに起訴を行うかの判断は、ルーラ大統領が指名する連邦検察庁新長官が下すことになる。