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アルゼンチン大統領選=ルーラ嫌いブラジルに貿易制限?=極右ミレイ勝利を政府懸念

2023年10月21日

ブラジルとアルゼンチンの今後はいかに?(20日付オ・グローボ・サイトの記事の一部)
ブラジルとアルゼンチンの今後はいかに?(20日付オ・グローボ・サイトの記事の一部)

 アルゼンチン大統領選の一時投票日が22日に迫る中、フェルナンド・ハダジ財務相は、有力候補のハビエル・ミレイ氏(自由前進党・LLA)が勝利する可能性をブラジル政府が懸念している事実を認めた。極右派のミレイ氏は「アルゼンチンのボルソナロ」と呼ばれ、最大の貿易相手国であるブラジルとの貿易を制限する意向などを選挙期間中に示していた。19日付コレイオ・ブラジリエンセ(1)が報じている。
 ハダジ氏はロイターのインタビューに答え、「心配するのは当然だ。何世紀にもわたって築き上げてきた関係を壊そうとする人物は、誰だって気にかかる。国際関係ではイデオロギーを強調するのではなく、相互利益や協力に焦点を当てるのが当たり前だから」と語った。
 ミレイ氏はルーラ大統領(労働者党・PT)を「怒れる共産主義者」「全体主義的使命帯びた社会主義者」と呼び、自身が当選すればアルゼンチンは独自路線を歩み、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、ベネズエラ(資格停止中)で構成されるメルコスルから離脱すると断言している。
 また、ミレイ氏は米国メディアのインタビューで、ブラジル、中国、ロシアとの取引を否定。自由、平和、民主主義を擁護し、共産主義者や社会主義者との協力は促進しないと宣言した。同氏は大胆な発言と行動で知られ、自身の理念に忠実で、自由主義を重要視している。(2)
 「隣国であり、南米での主要なパートナーだから、候補者が我が国と決別すると言えば心配になる。このような扱いを受けるようなことをしたのだろうか」とハダジ氏はコメントし、ルーラ大統領は政治的な意見や立場の違いを超えて、各国の首脳と友好的な関係を維持していると述べた。
 一方、20日付オ・グローボ(3)によると、ミレイ氏を支持する公開書簡にブラジルの連邦議員69人が署名しており、ルーラ政権の基盤政党であるウニオン・ブラジルや社会民主党(PSD)、共和者(RP)、進歩党(PP)、民主運動(MDB)に所属する議員が15人含まれているという。
 19日に発表された声明では、議員たちは、アルゼンチンは現在、経済的、政治的、倫理的な面で最大の危機にあるが、これは長年にわたって採用された社会支援策によって引き起こされたと主張し、前・元大統領のネストル・キルチネル氏とクリスティーナ・キルチネル氏、およびアルベルト・フェルナンデス現大統領の「キルチネリズム」(中道左派のポピュリズムを特徴とする政治運動)に対する批判的な立場を表明した。
 同書簡ではアルゼンチンの選挙へのブラジル政府の干渉も批判しており、「ミレイ氏はアルゼンチンと世界、特に現在のブラジルにとって、政治的対抗者からの脅威と攻撃に立ち向かう存在であり、アルゼンチンの政治カーストが長年にわたって提供してきた社会福祉政策や保護政策や反自由市場に対して声を上げ続けている」と述べている。


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