貿易収支=802億米ドル黒字で新記録=大豆と石油の輸出増が牽引

ブラジル商工開発省が1日、1~10月の貿易収支黒字額は802億米ドル(以下ドル)で新記録更新と発表と同日付G1サイト(1)などが報じた。
同省によると、10月の貿易収支黒字額は燃料の輸入減と大豆の輸出量増などで89・59億ドルに到達。営業日1日あたりの額は昨年同月比で140・1%増、10月としては1989年の統計開始以来の最高記録だ。
1~10月の黒字額802・12億ドルも、2021年の586億ドルを大幅に書き換える新記録だ。1~10月の黒字額は昨年の通年黒字額の623・1億ドル以上だ。
10月の輸出額294・84億ドルは営業日1日あたりの平均額で昨年同月を0・7%下回るが、輸入額205・25億ドルは同様の比較で20・9%減だ。
輸出は、増収が続く大豆や産出量が増えた原油の輸出量が増え、ロシアのウクライナ侵攻後に急騰したコモディティ価格の値下がり分をカバーした。値下がりが目立つのは原油や派生品で、原油や大豆などの輸出量増で10月の輸出量は昨年同月を13・7%上回ったが、平均価格が3・7%落ち、輸出額は減少。輸入量は5%、輸入額は7・4%減った。
農産物は輸出量が昨年より28・8%増えたが平均価格は16・2%低下。製造業は輸出量が0・9%増も平均価格が0・8%低下。鉱業は量が35・3%増え、平均価格も3・5%上がった。
農産物では魚と甲殻類以外の動物の147・7%増や非油の果物とナッツの20・5%増、大豆の12・2%増が目立つ。大豆価格は14・9%落ちたが、出荷量が31・8%増え、輸出額は昨年同月を5・593億ドル上回った。
鉱業は銅鉱石と精鉱が46・3%、原油も22・8%増えた。原油価格は3・6%落ちたが、輸出量が27・4%増えて輸出増を記録。鉄は量が14・6%増え、平均価格も18・6%上昇し、36%増額となった。
製造・加工業では生鮮・冷蔵・冷凍牛肉が29・7%、セルロースが43・8%、植物油脂が63・3%減少した。
輸入は、未粉砕の小麦やライ麦30・7%、未粉砕のトウモロコシ52・4%にラテックスと天然ゴム63・8%、原油8・3%に天然ガス32・7%、有機無機化合物43・1%に化学肥料24・3%など各分野で減少。輸入品平均価格は48・2%落ちたが、輸入量は46・1%増えた。
1~10月の輸出額上位は、大豆484・8億ドル(10・1%増)、原油339・7億ドル(1%増)、鉄鉱石243・9ドル(2・3%減)などだ。累積輸出額は中国・香港・マカオ873億ドル、EU384・2億ドル、米国299・6億ドル、亜国149億ドルと続く。
10月30日付G1サイトによると、年末時点の黒字額は910億米ドルと見込まれている。