スターバックス=ブラジルの運営会社が倒産申請=コロナ禍の売上げ激減で

米国シアトル発祥で世界最大喫茶店チェーン「スターバックス」のブラジルフランチャイズ権を有するサウスロック社が、10月31日に倒産申請を行ったがサンパウロ州司法裁判所(TJ―SP)に却下された。今後の動向は不透明だと同日付G1サイトなど(1)(2)(3)が報じている。
申請書の中で、サウスロック社は18億レアルの債務を抱えており、「国内事業の一部を財政的に保護し、ビジネスモデルを現在の経済状況に合わせる」ために、債権者保護を求める決定をしたと述べている。
同社は2015年に設立され、スターバックス以外にもイタリア食材を販売するスーパーマーケットチェーン「イータリー」やファーストフードチェーン「サブウェイ」などのブラジルでのライセンスを所有し、空港内の飲食を提供する「BAR」を運営するなど、国内で幅広く事業展開をしている。
サウスロック社によると、ライセンス支払いが遅れたとの理由で、10月13日にスターバックス本部から契約終了を宣言する通知が送られ、倒産申請を余儀なくされた。同社はブラジル国内でスターバックス店舗を187軒運営している。
倒産の背後には、2020年のコロナ禍開始時に売上が95%減少し、パートナー企業からの債務不履行、資金調達の難しさ、小売業向けの原材料価格の上昇があり、実店舗運営が困難となった。財務的な健全性が脅かされ、倒産申請を余儀なくされたとしている。
しかし、聖州司法裁判所は申立書に記載された財務状況を示す賃借対照表など財務諸表が提示されていないことを理由にこの申請を却下。レオナルド・サントス判事は「(破産法では)会社の経済的・商業的状況に関する完全な報告書も必要である」と、同社の実状やプロセス後に回復する可能性について予備的評価を要請した。
現在スターバックスのブランド使用権を保持するための交渉が進行中で、店舗閉鎖や従業員調整を検討中。同社代理人の法律事務所トマス・バストスは、キャッシュフローの低下を避けるためブランド使用権の維持を求めている。