リオ州=ミリシア拡大の背後に政治家=政治の党派性には関係なく
リオ州の犯罪者の民兵組織(ミリシア)が、政治家たちの支持を得て勢力を拡大していると、9日付フォーリャ紙(1)が報じている。
ミリシアは以前から、リオ州の治安を脅かす存在として問題となっている。彼らはリオ大都市圏を中心に影響力を持っているが、この傾向が顕著になり始めたのは、2000年代前半に政治家が支持したことが背景にあるという。政治家たちが麻薬撲滅対策などでミリシアを利用しようとし、ミリシアも支配地域住民による選挙時の支援を保証した。
最も有名な例はジャイール・ボルソナロ氏で、当選した2018年の大統領選まで、公の場でミリシアを称賛する発言を行っている。
また、ルーラ政権で観光相を務めたダニエラ・カルネイロ氏も就任前、ミリシアとの個人的な付き合いが報じられた。
ミリシアを称賛する発言は、現リオ市長のエドゥアルド・パエス氏(社会民主党・PSD)や2000年代にリオ市長だったセーザル・マイア現リオ市議(民主社会党・PSDB)も行っている。ミリシアといえば保守派のイメージが強いが、労働者党(PT)も2000年代にジョルジェ・バブ・リオ市議がミリシアと強い関係を持っていた。
こうした背景には政治家が荒廃するリオの治安の制御をミリシアに依存しようとしたことがあり、ミリシアの支配力強化につながった。
フラヴィオ・ジノ法相は、リオ州の治安対策について語る際、政治家によるミリシア称賛を同州の間違った歴史と指摘し、改善を求めたが、同法相自身、ダニエラ氏のスキャンダルの際はミリシアとの関係を問題視していなかった。