GDP=年間成長率3%に下方修正=第3四半期の伸び停滞で

財務省経済政策局が21日、2023年の国内総生産(GDP)の成長率予測を3・2%から3%に引き下げ、インフレ率予測も下方修正したと同日付G1サイトなど(1)(2)が報じた。
この予測は2カ月毎に発表するマクロフィスカル速報に基づくものだ。今回のGDP成長予測値が9月予測を下回ったのは、第3四半期のGDPの伸びが9月予想の0・1%増を下回る0%だったためだ。そのため、今年のGDPの成長予測は3・2%が3%に、24年予測も2・3%が2・2%に引き下げられた。
第3四半期のGDP減速は以前から予測されていたが、財務省がいう0%は第3四半期のGDPは停滞していたことを示す。部門別予測は農業が14%増を維持、鉱工業は1・5%増が1・9%増に引き上げられたが、サービス業は2・5%増が2・2%増に引き下げられた。
この動きは、21日発表のジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)のGDPモニターと軌を一にする。21日付ノチシアスr7サイト(3)によると、FGVも、農業とサービスが減速し、7~9月の経済活動が失速したために第3四半期は「停滞」と表現している。
経済活動が勢いを失っていることは17日発表の中銀経済活動指数(IBC‐Br)からも窺われる。17日付exameサイトなど(4)(5)によると、9月の指数は昨年同月比で0・32%増だったが、8月比では0・06%減だった。中銀は同日、8月も前月比で0・77%減だったとし、第3四半期の指数は第2四半期比で0・64%減と発表している。
現段階では地理統計院(IBGE)によるGDPが出ておらず、最終的に停滞と出るか、後退と出るかは不明。財務省が発表した第3四半期は0%成長で年間では3%という数字は、20日に中銀が発表した経済動向予想調査フォーカスよりは高い。20日付アジェンシア・ブラジル(6)によると、市場では今年のGDP予測を2・89%から2・85%に引き下げ、来年を1・93%から2%に引き上げている。
他方、財務省は今年のインフレ率の予測を4・85%から4・66%に引き下げた。この数字は公式目標上限の4・75%を初めて下回った。市場の予測値は既に上限以下だったが、それでも4・59%が4・55%に引き下げられた。
インフレが鎮静化すると支出計画が立てやすくなるため、伸びが鈍っている家計消費も伸びが戻る可能性がある。財務省が第3四半期のGDPは増加に転ずると見ているのも、インフレ鎮静化や経済基本金利(Selic)の引き下げが続いていること、歳末商戦などの影響を見通したものと言えそうだ。