サッカーW杯南米予選=セレソンが史上初3連敗=出場園内ギリギリ6位に

21日、リオ市マラカナン・スタジアムで行われたサッカーW杯南米予選でブラジル代表(セレソン)はアルゼンチンに0―1で敗退。予選史上初のホーム黒星、初の3連敗を喫した。ブラジルは南米で唯一、W杯予選でホーム黒星がない国だった。同日付グローボエスポルテ(1)やESPNブラジル(2)などが報じている。
同日は試合開始前、選手たちがグラウンドで国歌を歌い交わしている間に観客席で喧嘩沙汰が発生。原因はスタジアム側の警備員がアルゼンチンとブラジルの応援者の席を同じブロックにしようとしたことに反発したアルゼンチン人の観客が、警備員に椅子を投げるなどの暴力を働いたためだった。
この騒ぎで観客同士も喧嘩となり、グラウンドまで降りていく事態が発生。これを嫌ったアルゼンチン代表が一度は引き上げ、試合開催が危ぶまれた。
30分遅れの22時に始まったこの試合でチャンスを作っていたのはセレソンだった。負傷のネイマールとヴィニシウス・ジュニオルに代わり、所属のアーセナルでコンビを組むガブリエル・ジェズスとマルチネッリを中心に攻撃を組み立てた。だが、マルチネッリが決定機で2度シュートを外すなどし、無得点が続いた。
すると後半18分、アルゼンチンはコーナーキックで得たチャンスを、オタメンディが高くジャンプしヘディング。これがゴール左隅の高い位置に突き刺さった。この日の数少ないチャンスを決め、昨年のW杯覇者が先制した。
セレソンはボール支配率が50%、シュート数もアルゼンチンと同じ8本だったが攻撃の効率が悪かった。ホームでベネズエラに引き分けた後、ウルグアイ、コロンビア戦に続いて3連敗を喫した。
TVクルツウラ(3)によると、セレソンが南米予選で3連敗は前例がなく、W杯出場圏ギリギリの6位に後退した。CNNブラジル(4)によると、セレソンの過去の最大連敗記録は2001年6〜7月に記録した4連敗だ。
同南米予選は一旦これで中断し、再開は24年9月となる。それまでセレソンは3月に欧州で親善試合があり、6月からコパ・アメリカに出場するが、ブラジル・サッカー連盟が発表している通りならば、6月からの指揮は現レアル・マドリッド監督のイタリア人カルロ・アンチェロッティ氏となる。