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ルーラ=ジノ氏を最高裁判事指名=上院試問は厳しい攻防か=承認は確実と伯字紙報道

2023年11月29日

ジノ氏(Lula Marques/Agencia Brasil)
ジノ氏(Lula Marques/Agencia Brasil)

 ルーラ大統領は28日、最高裁次期判事に現法相のフラヴィオ・ジノ氏、連邦検察庁長官に現副長官のパウロ・ゴネ氏を指名した。両職は9月に前任者が退任しており、2カ月遅れての指名となった。承認のための上院での口頭試問(サバチーナ)が早くも注目される。同日付G1サイト(1)などが報じている。
 ジノ氏とゴネ氏に関しては、27日夜から「指名確実」と報じられていた。それはこの日、ルーラ氏が一部の最高裁判事に対し、「COP28に行く前に発表する」と具体名と共に伝えたことが明らかになったためだ。
 連邦検察庁長官には最高裁のジウマール・メンデス、アレッシャンドレ・デ・モラエス判事と近い立場にあるゴネ氏が有力視されていることは以前から報じられていたが、最高裁判事に関しては直前まで、ジノ氏か総弁護庁長官(AGU)のジョルジェ・メシアス氏かで、意見が割れていた。
 当初の予想では、三権中枢施設襲撃事件で抗議者を容赦なく逮捕したことでボルソナロ前大統領派からの反感が上がっているジノ氏が、同じくボルソナロ派からの反感が強いメンデス、モラエス両判事の推すゴネ氏の検察庁長官指名と同時に推薦を受けるのはリスクが高いのではないかとの懸念の声が上がっていた。
 だが、それが22日に急転した。上院ではこの日、判事単独の判断に制限を加える憲法改正法案が承認されたが、この時の投票で労働者党(PT)で唯一賛成票を投じたのが上院の連邦政府リーダーのジャッケス・ヴァギネル上議だった。この件でルーラ氏は強く憤慨しており、ヴァギネル氏と近い関係にあったメシアス氏はこれが致命傷となって指名が見送られたという。
 また、大統領はジノ氏が抜けることになる法相のポストに女性を据えたいとの意向も話していたという。今回のジノ氏指名はローザ・ウェベル前長官の退官後に女性判事が求められていた中でのもので、女性の支持者たちからの反感が特に強かった。
 そこで白羽の矢が立っているのが予算企画相を務めているシモーネ・テベテ氏だ。テベテ氏は昨年の大統領選でも3位になった実力者で、現政権の目玉官僚でもある。
 ただ、CNNブラジル(2)によると、テベテ氏は公安分野を希望しているという。現在の法相は法務部門と公安部門を統括しているが、テベテ氏の意向次第では法務省が二分割される可能性がある。
 ジノ氏とゴネ氏の上院でのサバチーナは13日に予定されている。ジノ氏の指名に関しては予てから自由党(PL)やノーヴォといった保守系の政党が強い反対を示しており、これらの党の上議から長く厳しい質問攻めが起こることが予想されている。
 だが、ポデール360(3)の予想によると、ジノ氏が上院での承認に必要な過半数(41票)獲得するのはそれほど難しいことではないという。これまでの例を見ると、大統領が最高裁判事に指名した人が、上院で否認されたのは100年以上昔の話で、最近は全員承認されている。


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