サウジアラビア=30年の貿易収支1兆ドル?=トップ会談で対伯投資激増か
ルーラ大統領や起業家らが11月28~29日にサウジアラビアで行った会談や会議は大きな実を結び、エンブラエルが投資関連の合意に署名した他、2030年の貿易収支は1兆ドル台に達するとの見解まで飛び出したと29日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)(4)が報じた。
ルーラ大統領は28日にモハマド・ビン・サルマン皇太子との個別会談や、両国閣僚や当局者が出席する拡大会議に出席。同日の目玉は同国政府がブラジルに投資予定の100億ドルのサウジアラビア基金で、今後7年間で90億ドルが、新経済活性化計画(PAC)にあるクリーンエネルギーやグリーン水素、防衛、農業、科学技術、インフラ関連のプロジェクトに投じられる。
サルマン皇太子はルーラ氏がG20議長国として果たす役割や両国が各地域で持つ役割についても強調。法定アマゾンを含むブラジル訪問やBRICS加入にも強い関心を示した。
29日は企業家との会合やセミナーが開かれ、ブラジルの航空会社エンブラエルによる製品のプレゼンテーションも行われた。同社は今回、サウジアラビア政府や企業との間で、民間航空、防衛と安全保障、都市部のエアモビリティの3分野の協力協定を締結。これにより、同社はブラジルからの輸出増加に加え、公私両面での協力や共同イニシアチブを確立。投資の機会を得た上、地元産業とのパートナーシップを拡大することも可能となった。
両国間の商取引は28日の時点で、30年までに現行の80億ドルから200億ドルに拡大する可能性ありとされていたが、ルーラ氏は29日、企業家達の前で、両国間の貿易収支は1兆ドルに至り得ると発言。1~11月のブラジルからの輸出は3千億ドル弱、輸入は2130億ドルで、865億ドルの黒字を計上している。